South China Morning Postの記事一覧

    中国とロシアはアフガニスタンの防衛で協力できる

     米国がアフガニスタンから撤退した後に、中国とロシアが緊密なテロ対策で協力する可能性があるようだ。South China Morning Postが報道した。  タリバンはアフガニスタンの大部分を支配しつつある。あまり知られていないが、アフガニスタンは新疆ウイグル自治区との長い国境を共有している。北京の元王軍事科学技術研究所の研究者であるZhou Chenmingは、中央アジアのテロ勢力が米軍撤退を利用してウイグルへの攻撃を開始すると懸念する。  中国当局は、東トルキスタンイスラム運動(ETIM)がウイグル自治区民に対する軍事訓練の場所としてアフガニスタンを利用したと主張している。  中国に残された選択肢の1つは、隣国であり上海協力機構のメンバーでもあるロシアと協力することだ。中国社会科学院のロシア専門家であるSu Changによれば、アフガニスタン問題においてロシアとの安全保障面での協力を模索できるという。  「ロシアは裏庭で安全を維持することができる。薬物の管理も可能だ。中国はロシアと協力しながらETIMが新疆ウイグル自治区に入るのを防ぐだろう」  ロシアにとってさほどメリットがないように思える奇妙な提案だが、中国にそれだけ残された選択肢が少ないことを示していると言える。テロ対策の名目で人民解放軍を新疆ウイグル自治区に配置すれば、中国はアフガン問題という泥沼に入り込むことになるだろう。✒

    バイデン政権がアフガンからの退避のために米軍追加配備を承認

     米国のバイデン大統領は、米国大使館から文民を撤退させるために首都カブールに向けた追加の米軍派遣を承認した。South China Morning Postが報道した。  バイデン大統領は一方でアフガニスタンからの米軍撤退については決定を覆さず、アフガニスタン軍がタリバン軍と戦うべきだと主張している。  「我々の外交、軍事、諜報チームの勧告に基づき5,000人の米軍配備を承認する。米国人や他の同盟国の人員を安全に撤収させられるだろう」とした。特別なビザプログラムを取得した一部のアフガニスタン人も避難対象となるようだ。  米国の防衛当局は新たに承認されたのは5,000人のうち1,000人だとし、第82空挺師団から派遣されると明らかにした。  「アフガニスタン軍が自国を維持できないのであれば、米軍のプレゼンスの長さに違いはなかった。内戦の中に米国人を置き去りにすることは容認できなかった」とバイデン大統領は付け加えた。  アフガニスタンは土曜日に北部の主要都市を占領し、首都カブールに迫るのも時間の問題とされている。緊迫度が高まる中で、米軍派遣はあくまでも米国人退避のためだと一線を引いた形だ。アフガニスタン政府軍の動きにも注目が集まる。✒

    中国は2つの方法でタリバンに圧力をかけるべきとアフガン使節は述べる

     アフガン大使は中国のタリバンとの接触を歓迎しつつ、中国に対して2つの問題解決の方法を提案した。South China Morning Postが報道した。  アフガニスタンのJavid Ahmad Qaem大使はSouth China Morning Postのインタビューの中で、タリバンの暴力を止めるために中国がすべき2つの方法について提案した。  「1つは、彼らの統治方法を受け入れないと明言すること。もう1つは、タリバンがパキスタンからの支援を受けている事実を明らかにして、パキスタンに説得を要請することだ」  米国、中国、パキスタン、ロシアからの使節が木曜日にカタールで多国間協議を実施した。和平プロセスの加速と都市への攻撃の即時停止を呼びかけ、軍によって樹立される政府は認めない立場を明らかにした。  Qaemは「中国がタリバンを支持しているとは思わない」とも述べた。  「我々は中国が調停のための中立的な立場を維持していると信じる。中国政府にとっての最善策はアフガニスタン政府だ」  一方中国政府はタリバンに対し、新疆ウイグル自治区での中国の攻撃を非難した東トルキスタンイスラム運動(ETIM)との関係を断ち切るように要請した。タリバンは「アフガンの領土は他国の安全を脅かすために使われることはない」と話した。  アフガニスタンでのタリバン侵攻は米国のミスのように報道されがちだが、中国にとっても触れてほしくない部分であることが明るみになった形だ。中国政府がタリバンに圧力をかけるかどうかが注目される。✒

    フィリピンが方針を180度転換させ米国との軍事同盟維持を決める

     オースティン米国防長官とのマニラでの会談により、フィリピンは23年間にも及ぶ「訪問米軍に関する地位協定(VFA)」を更新すると決めた。South China Morning Postが報道した。  フィリピンのドゥテルテ大統領は、昨年2月にはVFAを終了させると明言していた。180度の方針転換ということになる。ドゥテルテ大統領は2016年に当選して以来強い反米主義を掲げた。オバマ元大統領に対して暴言を吐き、中国への支持を表明していた。  だがここ最近のフィリピン海域への中国船200隻超の侵略により、方針を転換させてVFAを維持することにしたようだ。中国の侵略はフィリピン国民の怒りを煽り続けている。  シンクタンクのStratbase ADR InstituteのJose Antonio Custodioによれば、ドゥテルテ大統領はVFA終了の通知をせず判断も停止させていたという。米国を支持するフィリピン軍からの抵抗が真の理由であったとも推測する。70年前に締結された米比相互防衛条約はまだ有効であり、どちらかが攻撃された場合にお互いに支援する義務が生じる。  「フィリピン軍は親米の組織だ。米国の助成金に依存していて、幹部は米国で学んでいる」とCustodioは話す。  オースティン国防長官は「強かな米国とフィリピンの同盟は、インド太平洋の安定や繁栄に不可欠であり続ける。我々は完全に復元されたVFAを目標達成に役立てる」とドゥテルテ大統領に感謝しながら述べた。  フィリピン軍がドゥテルテ大統領の親中方針を阻止した形になるが、米国での政権交代の影響も大きいと思われる。バイデン政権のアジア太平洋重視の方針により軍事同盟関係は維持された。中国の漁船団が皮肉にも最後の一押しとなった形だ。✒

    中国の英語家庭教師企業が来週破産を申請する予定

     世界で最も規模が大きい英語家庭教師企業の1つであるWall Street Englishが崩壊の危機に瀕している。中国政府による教育機関取り締まりの犠牲者だとSouth China Morning Postは述べる。  Wall Street Englishは2000年に中国に参入したイタリア企業だ。ピーク時には中国の11都市の71カ所で3,000人のスタッフを雇用していた。Yicai.comの報告書によれば、来週にも破産を申請するつもりだという。COVID-19の影響でスタッフは解雇されセンターは閉鎖されたそうだ。  中国の最高行政機関である国務院は7月24日に家庭教師業界を取り締まった。政府はこれらの企業を非営利団体として登録することを強制し、新企業の承認を禁じている。週末や祝日などの個別指導も禁止された。  Wall Street...

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    テスラが中国のGanfengとリチウムバッテリー供給契約を結ぶ

     Ganfeng Lithium Coはテスラと契約を結び、2022年から24年まで水酸化リチウムバッテリー製品を供給すると月曜に明らかになった。  Ganfengは詳細を開示しなかったものの、実際の数量と価格についてテスラからの発注書に言及した。この契約はテスラとの長期的で安定した協力を強化するために有益であるとも述べた。

    テスラはまだHertzとの契約書に署名していないとイーロンマスク氏が明らかに

     レンタカー企業のHertzが大規模な取引について発表してから1週間が経過したが、テスラCEOのイーロンマスク氏はまだ契約を結んでいないと表明した。これによりテスラ(TSLA)の株価や5%急落して1,146ドルになった。  マスク氏は月曜遅くに「Hertzに基づいた情報だとすれば、まだ契約が結ばれていないことを強調したい」とツイートし慎重な姿勢を見せた。  ただし「Hertzとの取引は我々の経済には影響を与えない」とも付け加えた。  テスラとHertzは双方ともコメントには応じなかった。  HertzのCEOであるMark Fieldsは先週、注文に含まれるのは多くがモデル3だと明らかにしていた。モデル3の価格が44,000ドルから始まると考えれば、注文全体の価値は約44億ドルとなる。

    アップルがiPhone 13の生産を優先しiPadを後回しにする

     アップルはiPadの生産量を減らすことを決めた。日経アジアが明らかにした。世界的なサプライチェーンの停滞を受け、iPhone 13の販売に支障が出ないようにリソースとコンポーネントを優先的に割り当てることにした。  だがiPadの需要はパンデミックにより増加している。昨年は6.7%増の5,320万台のデバイスが販売され、世界のタブレット市場の3分の1を占めた。  iPhone 13シリーズはiPad miniと共通のチップセットのA15 Bionicが搭載されている。今回の減産により四半期のiPadの収益に影響が出る可能性をアップルは認識しているようだ。  アナリストはアップルの決定にさほど驚いていない。iPhoneが優先されるのは当然だとCounterpoint Researchの技術アナリストBrady Wangは話す。アップルのスマートフォン販売数は年間2億台以上であり、アップルのエコシステムの中心軸となっている象徴的な製品だからだ。

    アップルのHomePod miniが5色展開で購入可能に

     HomePod miniは印象的なサウンドを提供しながら、iPhoneとシームレスに連携し、Siriのインテリジェンスも備えている。スマートホームの基盤となるだろう。  HomePod miniは白とスペースグレーに加えてオレンジ、黄色、青の大胆な新色を展開させた。あらゆるスペースで個性的なスタイルを表現するためだ。価格はわずか99ドルとなる。  3.3インチの高さのHomePod miniは、小さなサイズのスピーカーで予想外に大きなサウンドを提供するための革新的な機能を搭載している。計算されたオーディオにより豊かで詳細な音響体験を提供し、あらゆる角度から素晴らしいサウンドを実現する360度オーディオで部屋を充実させる。  複数のHome Podスピーカーを使用すれば、ユーザーは家中で同じ音楽を再生したり、ステレオペアを作成して没入感を体験することができる。Apple Musicともシームレスに連携する。  iPhone 13 ProはHomePod miniと相互作用する。何が再生されているかを確認したり、パーソナライズされた音楽リストを提案したり、iPhoneが近くにあると自動で音楽を再生したりもできる。

    SpaceXのハロウィーン打ち上げが天候により延期される

     SpaceXはハロウィーンの日曜日に4人の宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに打ち上げる予定だったが、NASAとの協議の結果大西洋の気象条件が思わしくなかったことから今週水曜に延期されたようだ。  NASAの報道官は打ち上げが11月3日水曜日の午前1:10ETになったとツイッターで発表した。ケネディ宇宙センターで行なわれる予定だ。  今回打ち上げられる宇宙飛行士は軌道に入り、既に働いている7人のメンバーと合流して科学ミッションに従事することになる。SpaceXにとって4番目の有人ミッションであり、民間宇宙飛行全体では5番目だ。  SpaceXが今回使うドラゴン宇宙船は合計30回の打ち上げに使われ、最大7人の乗員を運ぶことができる。そのまま宇宙ステーションにまで到達できる最初の民間宇宙船となっている。