South China Morning Postの記事一覧

    香港のクリエイティブ産業が国家安全法で終焉を迎える

     香港のクリエイティブコミュニティは、新しい検閲により映画がブロックされ書籍が標的にされて文化大革命のようだと嘆いている。South China Morning Postが報道した。  香港で受賞歴のある映画監督のKiwi Chow Kwun-waiは先月のカンヌ映画祭で話題となったが、投資家は彼から撤退せざるを得なくなった。2019年の反政府デモの際に広く使用されたスローガンからそのタイトルを取った映画だ。  Chowは国家安全法の施行により逮捕される準備ができていると話した。映画の著作権は売却し、法的な影響を避けるためにクリップをすべて削除した。「全てが恐怖に包まれた。これ以上映画を香港の公の場で見せたり、地下上映場に持っていくこともないだろう」  彼は映画を制作したチーム、映画のためにインタビューを受けた人々、そして場所を提供した市民の生活を守りたかったようだ。  香港当局者と建制派はChowの仕事を調査し始めた。また国家安全法に違反したと思われる映画を禁止するためにガイドラインを改訂し、検閲を承認することになった。これには過去に発表された映画も含まれる。  香港のクリエイティブ産業が終焉を迎えることになった。中国当局の取り締まりを恐れるだけでなく、自分の仲間や協力者までもが連鎖的に逮捕されることまで気にかけなければならない。民主主義、そしてすべての自由が失われた。✒

    中国の規制の嵐は世界を混乱させ巨額の損失を引き起こす

     中国政府はここ数週間で、ビッグテックから教育に至るまで多くの新たな規制を開始した。厳格な管理は経済の成長を妨げる可能性がある。South China Morning Postが報道した。  先月以降中国政府はハイテク企業、私立教育企業、海外上場のための新たな規制などを乱発し世界を困惑させた。中国株式市場の投資家に巨額の損失をもたらすことになった。北京は監視を強化する理由としてデータプライバシー、国家安全保障、テクノロジー業界の影響拡大に対する懸念などを挙げている。  TS LombardのマーケットエコノミストのLarry Brainardは、月曜の調査レポートで「中国の経済に変曲点が生じている。30年前の南巡講話と同様の大きな出来事になる可能性がある」と話している。南巡講話とは、鄧小平が1992年初頭に南部の主要な経済特区である武漢、深圳、上海などを視察して各地で改革開放を呼び掛けた一連の行動である。  「鄧小平は中国の特徴を備えた社会主義市場経済を提供しようとしたが、Xiはそれに加えて中国に真の社会主義経済を提供することを目指している」  中国のデジタル巨人に対する独占禁止法の推進など、北京の新しい規制は消費者に利益をもたらす競争を巻き起こすことも考えられる。だが北京による厳格な管理はおそらくテクノロジー主導の経済に悪影響を与えるだろう。  Seafarer Capital Partnersの中国調査担当副社長であるNicholas Borstは「国家の統制が過度に耐え難く予測不可能になった場合、起業家のダイナミズムと投資家からの信頼の双方を損なう可能性がある」と話している。  中国は"国家資本主義"と呼ばれる民間企業と国家の混合によって形作られる。旧ソ連とは異なり中国は多くの民間部門を持ち、GDPの60%以上と雇用の80%以上を占めている。  中国経済の矛盾点が徐々に浮き彫りになりつつあるようだ。共産主義実現のために統制を進めれば進めるほど、現在の中国の実像がそこからかけ離れた存在だと気付かされる。習近平主席の改革は後に"大革命"と呼ばれるものになるかもしれない。✒

    タリバンが米国製の武器を押収して新疆ウイグル自治区の治安が悪化する恐れ

     タリバンが首都を制圧しアフガン軍から銃や弾薬、ヘリコプター、戦闘機などを押収した。それらのうち一部が過激派やテロリストの拡大を助長する可能性があると中国の研究者は述べる。South China Morning Postが報道した。  アフガン軍から奪われたタリバンの米国製武器や装備が過激派に渡った場合、中国の新疆ウイグル自治区を含む地域の不安定さを悪化させる可能性がある。  APによれば、タリバンの部隊は米軍が撤退した後急速に侵攻し、州都や軍事基地、カブールなどを制圧することになった。押収された中には最新鋭の戦闘機も含まれるという。  特に武装勢力がロシアのカラシニコフAK-47のような古い武器を米国製の最新アサルトライフルに交換していることから、地域の過激派の拡大を後押しすることになると中国の軍事研究者Zhou Chenmingは述べる。  「米国製の兵器が過激派に押収されれば、この地域の全ての政府にとってテロ対策の難しさを実感するだろう」  新疆ウイグル自治区の最西端地域がアフガニスタンとわずかに国境を接していることから、中国は安全保障について非常に懸念しているという。中国は既にタリバンに東トルキスタンイスラム運動(ETIM)などの過激派グループとの関係を断ち切るよう求めている。  中国の思わぬ懸念点が浮き彫りになった形だ。米国製の兵器を手に入れたタリバンは、米軍にも劣らない安全保障上の脅威となってしまった。タリバン新政権は中国に遠慮せず堂々と要求を通せるようになったのだ。✒

    中国の石油探査基地が水に沈んだのは気候変動の影響

    【アンダマン/Alex Rodriguez Chloe】中国の新疆ウイグル自治区西部にあるタクラマカン砂漠は、通常であれば毎年1cmほどの雨しか降らない。だが7月中旬にTian Shan山脈の氷河融解により洪水が引き起こされ、中国石油化工集団(Sinopec Group)の石油探査サイトを含め砂漠の300km2が水没した。  中国のSNSに投稿されたSinopec Groupのビデオクリップによれば、洪水により30,000近くの銃器と50台の探査車両が氾濫する湖ができた。人命の損失はなかったという。  今年だけでも世界は異常気象を多く目撃しているが、それは気候変動の証拠でありCO2排出量をさらに削減するために行動しなければならない、とSouth China Morning Postは提唱する。  6月下旬にはカナダで史上最高気温の49.6℃を記録した後、村が全焼するに至った。中国の河南省では通常の1年分よりも多い降雨量がわずか3日で降った。河南省政府は300人の被害と206億ドルの損失を報告したが、氷山の一角に過ぎないと言われている。  7月中旬には欧州のドイツでも洪水が発生したし、南欧のギリシャなどでは46.3℃という記録的な熱波に見舞われた。これらの異常気象は中国の経済成長を大きく妨げることになる。  科学者達は、異常気象は気候変動の影響によるものだという明確な証拠を提示し、世界が迅速に行動しなければならないと警告を発している。  香港天文台のアシスタントディレクターであるChan...

    中国がアフリカで電気自動車バッテリーの原料を買い占める

     多くの中国企業がコンゴ民主共和国での事業に関心を持っている。同国で産出されるコバルトが電気自動車バッテリーの原料となるからだ。South China Morning Postが報道した。  中国工業大手のChina Molybdenum Company(CMOC)は、コンゴ民主共和国にある巨大なTenke Fungurume鉱山で銅とコバルトの生産量を2倍にする25億1,000万ドルの計画を発表した。  Huayou Cobalt、Chengtun Mining、China...

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    テスラが中国のGanfengとリチウムバッテリー供給契約を結ぶ

     Ganfeng Lithium Coはテスラと契約を結び、2022年から24年まで水酸化リチウムバッテリー製品を供給すると月曜に明らかになった。  Ganfengは詳細を開示しなかったものの、実際の数量と価格についてテスラからの発注書に言及した。この契約はテスラとの長期的で安定した協力を強化するために有益であるとも述べた。

    テスラはまだHertzとの契約書に署名していないとイーロンマスク氏が明らかに

     レンタカー企業のHertzが大規模な取引について発表してから1週間が経過したが、テスラCEOのイーロンマスク氏はまだ契約を結んでいないと表明した。これによりテスラ(TSLA)の株価や5%急落して1,146ドルになった。  マスク氏は月曜遅くに「Hertzに基づいた情報だとすれば、まだ契約が結ばれていないことを強調したい」とツイートし慎重な姿勢を見せた。  ただし「Hertzとの取引は我々の経済には影響を与えない」とも付け加えた。  テスラとHertzは双方ともコメントには応じなかった。  HertzのCEOであるMark Fieldsは先週、注文に含まれるのは多くがモデル3だと明らかにしていた。モデル3の価格が44,000ドルから始まると考えれば、注文全体の価値は約44億ドルとなる。

    アップルがiPhone 13の生産を優先しiPadを後回しにする

     アップルはiPadの生産量を減らすことを決めた。日経アジアが明らかにした。世界的なサプライチェーンの停滞を受け、iPhone 13の販売に支障が出ないようにリソースとコンポーネントを優先的に割り当てることにした。  だがiPadの需要はパンデミックにより増加している。昨年は6.7%増の5,320万台のデバイスが販売され、世界のタブレット市場の3分の1を占めた。  iPhone 13シリーズはiPad miniと共通のチップセットのA15 Bionicが搭載されている。今回の減産により四半期のiPadの収益に影響が出る可能性をアップルは認識しているようだ。  アナリストはアップルの決定にさほど驚いていない。iPhoneが優先されるのは当然だとCounterpoint Researchの技術アナリストBrady Wangは話す。アップルのスマートフォン販売数は年間2億台以上であり、アップルのエコシステムの中心軸となっている象徴的な製品だからだ。

    アップルのHomePod miniが5色展開で購入可能に

     HomePod miniは印象的なサウンドを提供しながら、iPhoneとシームレスに連携し、Siriのインテリジェンスも備えている。スマートホームの基盤となるだろう。  HomePod miniは白とスペースグレーに加えてオレンジ、黄色、青の大胆な新色を展開させた。あらゆるスペースで個性的なスタイルを表現するためだ。価格はわずか99ドルとなる。  3.3インチの高さのHomePod miniは、小さなサイズのスピーカーで予想外に大きなサウンドを提供するための革新的な機能を搭載している。計算されたオーディオにより豊かで詳細な音響体験を提供し、あらゆる角度から素晴らしいサウンドを実現する360度オーディオで部屋を充実させる。  複数のHome Podスピーカーを使用すれば、ユーザーは家中で同じ音楽を再生したり、ステレオペアを作成して没入感を体験することができる。Apple Musicともシームレスに連携する。  iPhone 13 ProはHomePod miniと相互作用する。何が再生されているかを確認したり、パーソナライズされた音楽リストを提案したり、iPhoneが近くにあると自動で音楽を再生したりもできる。

    SpaceXのハロウィーン打ち上げが天候により延期される

     SpaceXはハロウィーンの日曜日に4人の宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに打ち上げる予定だったが、NASAとの協議の結果大西洋の気象条件が思わしくなかったことから今週水曜に延期されたようだ。  NASAの報道官は打ち上げが11月3日水曜日の午前1:10ETになったとツイッターで発表した。ケネディ宇宙センターで行なわれる予定だ。  今回打ち上げられる宇宙飛行士は軌道に入り、既に働いている7人のメンバーと合流して科学ミッションに従事することになる。SpaceXにとって4番目の有人ミッションであり、民間宇宙飛行全体では5番目だ。  SpaceXが今回使うドラゴン宇宙船は合計30回の打ち上げに使われ、最大7人の乗員を運ぶことができる。そのまま宇宙ステーションにまで到達できる最初の民間宇宙船となっている。