South China Morning Postの記事一覧

    英米豪の新たなAUKUS同盟にフランスが不満を示す

     フランスは英国、米国、豪州間の新たな安全保障同盟から取り残されたことに不満を抱いている。South China Morning Postが報道した。  木曜日に3カ国が発表したAUKUS同盟は、豪州がフランスとの潜水艦取引を停止することを意味する。フランスの外相と防衛相が発表した共同声明では「米国が欧州の同盟国やパートナーを豪州との構造的パートナーシップから除外すると決めたが、後悔することになるだろう」となっている。  豪州はフランスの造船会社Naval Groupを選び400億ドルの新しい潜水艦艦隊を建造しようとしたが、製造や部品のほとんどを豪州で調達するという政府の要件により延期された。  米英豪はこの同盟を発表する際に中国については明確に言及せず、インド太平洋地域における米国の戦略的利益と安定を支持するものだと述べている。  「インド太平洋地域における米国の力を強化するだけでなく、英国をこの地域と密接に結び付けることを目的としている」と米国政府高官は話した。  日本ではほとんど報道されていないが、豪州が米国や英国から原子力潜水艦を導入することに決めたとして大きな話題を呼んでいる。英国のEU離脱は視線をインド太平洋地域に向けるためのものだったようだ。✒

    中国経済の8月の減速により香港株が急落する

     中国恒大集団(Evergrande)が債務危機で7年ぶりの安値を記録する一方、中国経済の大幅な減速を示す統計が出て香港株が下落した。South China Morning Postが報道した。  ハンセン指数は月曜にフィンテック規制の強化への懸念から2.3%下落した。ガーデンサービスとスポーツウェアメーカーのLi Ningは1.5%下落した。Evergrandeの9.8%下落は特に深刻な状態だ。年初からの落ち込み率は80%になった。  Bloombergのアナリスト推定によれば、中国の先月の小売売上高、工業生産、投資のすべてが鈍化したという。中国政府は水曜の午前10時に統計を発表するが、予想よりさらに悪ければ香港市場に影響を与える可能性がある。  相次ぐコロナパンデミックの規制と巨額の負債問題により、中国経済は減速が不可避となった。中国の異変を察知しつつ回避する動きが必要になるだろう。✒

    中国恒大集団の債務再編は回避不可能で苦痛を伴う

     アジアのハイイールド債とディストレスト債に焦点を当てる投資家は、3,000億ドルを超える負債を蓄積した中国恒大集団(Evergrande)に新たな資本増強を求めている。South China Morning Postが報道した。  市場の売り圧力と警告を封じ込めるのに苦労している同社は、主要資産の投げ売りを防ぐために債務を再構築しなければならないと一部のアナリストは述べている。複数の信用格下げがデフォルトの可能性を示している。  Bloombergは先週、金融安定開発委員会が債権者との返済期限交渉に関する同社の提案を承認したと報道した。  香港のSC Lowy Financialの最高経営責任者であるMichel Lowyは、ジャンク債と不良債権に焦点を当てている。「Evergrandeは存続すると信じているものの、何らかの形の債務再編はほぼ不可避と考えている」  元Cargillとドイツ銀行とトレーダーであるLowyは、リーマンショックの後2009年に投資銀行と資産運用会社を共同設立した。同社は今年上半期に世界で105億ドル、2020年には225億ドルのハイイールド債を取引した。  Bloombergのデータによれば、2025年6月に期限が到達するEvergrandeの8.75%の社債は金曜日に31セントで取引された。5月末の84セントから急落している。2022年3月期限の社債も99.6セントから35セントにまで落ち込んだ。市場は既にデフォルトやヘアカットのリスクを織り込んでいることになる。  徐々に世界で巨額負債の問題が報道されるようになってきたが、債券価格が既に75%暴落していることからデフォルトを織り込んでいるようにも見える。同社の隠れ負債が出てくる可能性もある。✒

    米国のバイデン政権が中国に圧力をかけるために補助金を調査する

     米通商代表部のKatherine Taiと商務長官のGina Raimondoを含むバイデン政権のトップ経済顧問が、中国の補助金とそれに伴う米国への損害に関する新たな調査について話し合った。South China Morning Postが報道した。  彼らはまた、トランプ前大統領の下で達成された2020年1月の貿易協定と執行オプションについて、中国の輸入品に課せられた3,000億米ドルの関税の今後について話し合う。USTRは中国の補助金に対する調査が進んだ場合に、適切な対応を講じられるよう外部のコンサルタントに依頼している。  この会談はバイデン大統領と中国の習近平主席が90分間の電話会談を実施し、中国政府が協議に対し真剣に取り組んでいないと不満を表明してから1日も経たないうちに開催された。  一方中国の習近平主席は「米国が採用した対中政策が深刻な問題を引き起こした」と述べたと国営放送の中国中央電視台が報道した。トランプ前政権の時に課された関税が既に中国に行動を促す力を失い、交渉のテーブルに戻す新たな措置が必要となると政権の一部は考えているようだ。  USTRと商務省、ホワイトハウスの報道官はコメントに応じなかった。  補助金の話と関税の話が混ざっているが、関税は緩和させつつも補助金の件で新たな問題が発覚すれば厳しく追及するといった流れになるものと思われる。中国政府が米国の不満に呼応して融和姿勢を見せることはないだろう。✒

    中国がアフガニスタンからの国境を越えたテロを警戒する

     中国と米国はアフガニスタンの暫定政府にどう対処するかについて別々の計画に取り組んでいる。中国政府はテログループが既に国境を越えて近隣諸国に侵入していると警告した。South China Morning Postが報道した。  ブリンケン米国務長官が西側同盟国との閣僚会議のためにドイツにいる間、中国はパキスタン、イラン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンとの協議を実施した。外相のWang Yiはアフガニスタンへ食糧とコロナワクチン300万回分を含む援助として2億元(3,100万ドル)を寄付すると話した。  またWangはタリバンに全てのテロリストグループとの関係を断ち切るように呼び掛け、アフガニスタン近隣諸国に散らばり侵入したグループを追跡するために協力をすると続けた。  「アフガンに拠点を置くいくつかの国際テロ部隊は、近隣諸国に忍び寄ろうと計画している。我々はタリバンが全ての過激派勢力との関係を完全に断ち切ることを望んでいる」  ただしアフガニスタンと中国の国境に関しては、商品の輸送を確実なものにするため開かれたままであるとも話している。両国間の貨物列車路線の再開を検討すると付け加え、米国にもアフガニスタンからの難民を支援するように求めた。  一方パキスタンのShah Mehmood Qureshi外相は、代表者を将来の会合に送るようアフガニスタンに提案した。「アフガニスタンの参加は、永続的な平和と安定のための我々の共通の目的だ」としている。  既にテロリストグループが"近隣諸国"に侵入しているのであれば、該当するパキスタンやタジキスタン、そして中国自身も気が気ではないだろう。アフガニスタン暫定政権の樹立により代表者との会合を早期に進めたいものと思われる。✒

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    テスラが中国のGanfengとリチウムバッテリー供給契約を結ぶ

     Ganfeng Lithium Coはテスラと契約を結び、2022年から24年まで水酸化リチウムバッテリー製品を供給すると月曜に明らかになった。  Ganfengは詳細を開示しなかったものの、実際の数量と価格についてテスラからの発注書に言及した。この契約はテスラとの長期的で安定した協力を強化するために有益であるとも述べた。

    テスラはまだHertzとの契約書に署名していないとイーロンマスク氏が明らかに

     レンタカー企業のHertzが大規模な取引について発表してから1週間が経過したが、テスラCEOのイーロンマスク氏はまだ契約を結んでいないと表明した。これによりテスラ(TSLA)の株価や5%急落して1,146ドルになった。  マスク氏は月曜遅くに「Hertzに基づいた情報だとすれば、まだ契約が結ばれていないことを強調したい」とツイートし慎重な姿勢を見せた。  ただし「Hertzとの取引は我々の経済には影響を与えない」とも付け加えた。  テスラとHertzは双方ともコメントには応じなかった。  HertzのCEOであるMark Fieldsは先週、注文に含まれるのは多くがモデル3だと明らかにしていた。モデル3の価格が44,000ドルから始まると考えれば、注文全体の価値は約44億ドルとなる。

    アップルがiPhone 13の生産を優先しiPadを後回しにする

     アップルはiPadの生産量を減らすことを決めた。日経アジアが明らかにした。世界的なサプライチェーンの停滞を受け、iPhone 13の販売に支障が出ないようにリソースとコンポーネントを優先的に割り当てることにした。  だがiPadの需要はパンデミックにより増加している。昨年は6.7%増の5,320万台のデバイスが販売され、世界のタブレット市場の3分の1を占めた。  iPhone 13シリーズはiPad miniと共通のチップセットのA15 Bionicが搭載されている。今回の減産により四半期のiPadの収益に影響が出る可能性をアップルは認識しているようだ。  アナリストはアップルの決定にさほど驚いていない。iPhoneが優先されるのは当然だとCounterpoint Researchの技術アナリストBrady Wangは話す。アップルのスマートフォン販売数は年間2億台以上であり、アップルのエコシステムの中心軸となっている象徴的な製品だからだ。

    アップルのHomePod miniが5色展開で購入可能に

     HomePod miniは印象的なサウンドを提供しながら、iPhoneとシームレスに連携し、Siriのインテリジェンスも備えている。スマートホームの基盤となるだろう。  HomePod miniは白とスペースグレーに加えてオレンジ、黄色、青の大胆な新色を展開させた。あらゆるスペースで個性的なスタイルを表現するためだ。価格はわずか99ドルとなる。  3.3インチの高さのHomePod miniは、小さなサイズのスピーカーで予想外に大きなサウンドを提供するための革新的な機能を搭載している。計算されたオーディオにより豊かで詳細な音響体験を提供し、あらゆる角度から素晴らしいサウンドを実現する360度オーディオで部屋を充実させる。  複数のHome Podスピーカーを使用すれば、ユーザーは家中で同じ音楽を再生したり、ステレオペアを作成して没入感を体験することができる。Apple Musicともシームレスに連携する。  iPhone 13 ProはHomePod miniと相互作用する。何が再生されているかを確認したり、パーソナライズされた音楽リストを提案したり、iPhoneが近くにあると自動で音楽を再生したりもできる。

    SpaceXのハロウィーン打ち上げが天候により延期される

     SpaceXはハロウィーンの日曜日に4人の宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに打ち上げる予定だったが、NASAとの協議の結果大西洋の気象条件が思わしくなかったことから今週水曜に延期されたようだ。  NASAの報道官は打ち上げが11月3日水曜日の午前1:10ETになったとツイッターで発表した。ケネディ宇宙センターで行なわれる予定だ。  今回打ち上げられる宇宙飛行士は軌道に入り、既に働いている7人のメンバーと合流して科学ミッションに従事することになる。SpaceXにとって4番目の有人ミッションであり、民間宇宙飛行全体では5番目だ。  SpaceXが今回使うドラゴン宇宙船は合計30回の打ち上げに使われ、最大7人の乗員を運ぶことができる。そのまま宇宙ステーションにまで到達できる最初の民間宇宙船となっている。