タリバンが首都を制圧しアフガン軍から銃や弾薬、ヘリコプター、戦闘機などを押収した。それらのうち一部が過激派やテロリストの拡大を助長する可能性があると中国の研究者は述べる。South China Morning Postが報道した。
アフガン軍から奪われたタリバンの米国製武器や装備が過激派に渡った場合、中国の新疆ウイグル自治区を含む地域の不安定さを悪化させる可能性がある。
APによれば、タリバンの部隊は米軍が撤退した後急速に侵攻し、州都や軍事基地、カブールなどを制圧することになった。押収された中には最新鋭の戦闘機も含まれるという。
特に武装勢力がロシアのカラシニコフAK-47のような古い武器を米国製の最新アサルトライフルに交換していることから、地域の過激派の拡大を後押しすることになると中国の軍事研究者Zhou Chenmingは述べる。
「米国製の兵器が過激派に押収されれば、この地域の全ての政府にとってテロ対策の難しさを実感するだろう」
新疆ウイグル自治区の最西端地域がアフガニスタンとわずかに国境を接していることから、中国は安全保障について非常に懸念しているという。中国は既にタリバンに東トルキスタンイスラム運動(ETIM)などの過激派グループとの関係を断ち切るよう求めている。
中国の思わぬ懸念点が浮き彫りになった形だ。米国製の兵器を手に入れたタリバンは、米軍にも劣らない安全保障上の脅威となってしまった。タリバン新政権は中国に遠慮せず堂々と要求を通せるようになったのだ。✒