Talibanの記事一覧

    中国がアフガニスタンからの国境を越えたテロを警戒する

     中国と米国はアフガニスタンの暫定政府にどう対処するかについて別々の計画に取り組んでいる。中国政府はテログループが既に国境を越えて近隣諸国に侵入していると警告した。South China Morning Postが報道した。  ブリンケン米国務長官が西側同盟国との閣僚会議のためにドイツにいる間、中国はパキスタン、イラン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンとの協議を実施した。外相のWang Yiはアフガニスタンへ食糧とコロナワクチン300万回分を含む援助として2億元(3,100万ドル)を寄付すると話した。  またWangはタリバンに全てのテロリストグループとの関係を断ち切るように呼び掛け、アフガニスタン近隣諸国に散らばり侵入したグループを追跡するために協力をすると続けた。  「アフガンに拠点を置くいくつかの国際テロ部隊は、近隣諸国に忍び寄ろうと計画している。我々はタリバンが全ての過激派勢力との関係を完全に断ち切ることを望んでいる」  ただしアフガニスタンと中国の国境に関しては、商品の輸送を確実なものにするため開かれたままであるとも話している。両国間の貨物列車路線の再開を検討すると付け加え、米国にもアフガニスタンからの難民を支援するように求めた。  一方パキスタンのShah Mehmood Qureshi外相は、代表者を将来の会合に送るようアフガニスタンに提案した。「アフガニスタンの参加は、永続的な平和と安定のための我々の共通の目的だ」としている。  既にテロリストグループが"近隣諸国"に侵入しているのであれば、該当するパキスタンやタジキスタン、そして中国自身も気が気ではないだろう。アフガニスタン暫定政権の樹立により代表者との会合を早期に進めたいものと思われる。✒

    中国政府はタリバン主導の新政権をまだ認めていない

     中国はタリバンの暫定政権と連絡を取る一方、すべての民族グループや派閥の意見に耳を傾けるように促している。South China Morning Postが報道した。  タリバンは火曜日に、1990年代に強硬派として米国への攻撃を主導した人物を含む内閣のメンバーを発表した。経済的な崩壊危機や食糧危機を防ぐために必要な手続きの中で、包括的なアフガニスタン政府を形成すると約束した。  中国外務省の報道官Wang Wenbinは「それは必要なステップだ」と話す一方、タリバンに国内外の異なる見解に対して耳を傾けるように促している。国内秩序を回復させ、戦後の復興に向けて前進するために必要だとしている。  Wangは特に東トルキスタンイスラム運動との関係を問題視していて、関係を断ち切るように求める従来の主張を繰り返した。中国のアフガニスタン特使であるYue Xiaoyongは、パキスタン・イラン・タジキスタンらと現在の状況について協議を実施した。  タリバン暫定政権は国連制裁リストに掲載されている創設者の1人のMullah Mohammad Hassan Akhundが主導する。内務大臣はFBIの最重要指名手配リストに掲載されているSirajuddin...

    中国はアフガンの組織犯罪や汚職に対応できるのか

     中国は戦争で荒廃したアフガンの再建のために介入できるとする一方、米国と同様に汚職問題に直面する可能性があると指摘されている。South China Morning Postが報道した。  米国アフガニスタン復興特別検査官(SIGAR)の報告に中国はよく目を通すべきだ。SIGARは何年もの間、腐敗と犯罪組織がアフガニスタン政府の樹立を阻害していると警告してきた。  中国は米国の行動を観察した結果、同じアプローチは取らないだろうとされている。上海国際研究所の中国・南アジア協力センターの事務局長であるLiu Zongyuは「米国と中国の最大の違いは、他国の政治に介入したり干渉しないことだ」と述べている。  「中国がアフガニスタンに近い将来投資するならば、それは人道援助の観点からになるだろう」  米国政府は20年間で軍事費の837億ドルに加え、国家再建のために1,450億ドルを費やした。SIGARは医療と教育の改善を推進したが、汚職問題に取り組むことが最後までできなかった。  シンガポールのS.Rajaratnam国際研究大学院の上級研究員Raffaello Pantucciは「インフラ投資は腐敗と汚職を悪化させるだけだ」と話す。具体的にアフガン北部の4億ドルの油田プロジェクトを挙げた。2011年に契約が締結されて以来、ほとんど進展がなく地元の電力ブローカーに資金をゆすり取られたという。  「国家の様々な地域を支配する軍閥と電力ブローカーが存在する。彼らは政府とは別の論理で動いている」  中国も他人事ではない。中国も30億ドル分の銅鉱山を含む巨額の投資をアフガンに残している。タリバン政府がそれらの投資に対する安全を提供しなければならない。「多くの中国人がアフガニスタンを去ったが、問題は我々の資産がまだそこに残されていることだ」と元外交官のDu Youkangは話す。  中国が追加で投資を進めても米国の二の舞になるものと思われる。タリバンに安全保障を委ねて一帯一路を進めれば、結局資金をゆすり取られて多くの資産が焦げ付くことになるだろう。中国は進退窮まった。✒

    タリバンが米国製の武器を押収して新疆ウイグル自治区の治安が悪化する恐れ

     タリバンが首都を制圧しアフガン軍から銃や弾薬、ヘリコプター、戦闘機などを押収した。それらのうち一部が過激派やテロリストの拡大を助長する可能性があると中国の研究者は述べる。South China Morning Postが報道した。  アフガン軍から奪われたタリバンの米国製武器や装備が過激派に渡った場合、中国の新疆ウイグル自治区を含む地域の不安定さを悪化させる可能性がある。  APによれば、タリバンの部隊は米軍が撤退した後急速に侵攻し、州都や軍事基地、カブールなどを制圧することになった。押収された中には最新鋭の戦闘機も含まれるという。  特に武装勢力がロシアのカラシニコフAK-47のような古い武器を米国製の最新アサルトライフルに交換していることから、地域の過激派の拡大を後押しすることになると中国の軍事研究者Zhou Chenmingは述べる。  「米国製の兵器が過激派に押収されれば、この地域の全ての政府にとってテロ対策の難しさを実感するだろう」  新疆ウイグル自治区の最西端地域がアフガニスタンとわずかに国境を接していることから、中国は安全保障について非常に懸念しているという。中国は既にタリバンに東トルキスタンイスラム運動(ETIM)などの過激派グループとの関係を断ち切るよう求めている。  中国の思わぬ懸念点が浮き彫りになった形だ。米国製の兵器を手に入れたタリバンは、米軍にも劣らない安全保障上の脅威となってしまった。タリバン新政権は中国に遠慮せず堂々と要求を通せるようになったのだ。✒

    タリバン首都制圧で中国が新政権を承認すると何が起こるのか

    【アンダマン/Alex Rodriguez Chloe】タリバンがアフガニスタン首都カブールを制圧し、大統領は国外に退避した。米国大使館などではヘリによる退避が続いている。  7月末にタリバン幹部と中国外相のWang Yiが天津で会談を実施したが、この時に何らかの軍事的支援が約束されたのではないかという憶測が流れている。だが実際にはタリバンはパキスタン諜報機関の軍統合情報部(ISI)が支援していることで有名だ。  パキスタンは表向きはタリバンやパキスタン・タリバン運動(TTP)との関与を否定しているものの、ISI諜報員の電話記録が武装勢力への支援の証拠になっているとアフガニスタン政府の元上級政策顧問のDavood Moradianは話す。Reutersによれば、Davoodはその情報を各国の情報機関にも提供したようだ。  パキスタンでは今年7月に中国人技術者を狙った爆発事故が起きており、TTPが犯行声明を出している。情報筋によれば、パキスタンの外相がアフガンとインドの情報機関も犯行に加担したと話しているという。タリバンとの関係性を探られたくない意図が見え隠れする。  仮に中国がタリバンにより新しく樹立された政権を支持するならば、パキスタンと共にテロ支援国家指定される危険性が高まる。一帯一路の関係でアフガニスタンを押さえることは重要な課題であり、タリバンとの協力関係でアフガニスタンを作り変えることそのものは国家的戦略にかなう。タリバンにとっても中国の投資を誘致することは資金源確保の面でメリットがある。  中国にとってタリバン政権との危うい関係は甘美な誘惑であり、駐留米軍の撤退により引き起こされた中東の混乱を収束させることで覇権国の地位をも狙える可能性を秘めている。タリバンは中国が禁じる薬物の栽培をつい最近開始したにも関わらず、だ。  中国は一帯一路構想をスムーズに進めるためにも、タリバン新政権が新疆ウイグル自治区に関する問題に干渉しないことを確約しなければならない。タリバンは東トルキスタンイスラム運動(ETIM)との関係が深いとされている。ウイグル人をアフガニスタンで軍事訓練に参加させた疑いが持たれている。  仮にタリバンが新疆ウイグル自治区の同胞を見捨てて中国との関係を深めるならば、シャリーアに基づくイスラムの体制により人々を救うという教義の否定となるだろう、と別の情報筋は話す。中国としても、イスラム系住民への弾圧を強めるために別のイスラム原理主義勢力との関係を深めるという大きな矛盾を抱えてしまう。  中国政府は今のところ声明を出していない。ロシアと連携しながら地域の安定を求める程度にとどまると思われる。  最悪のシナリオは、力をつけたタリバン新政権がパキスタンとの関係を悪化させることだ。パキスタンは核保有国であり、タリバン新政権がパキスタンまでもを制圧してしまえば地域は一気に不安定化する。中国はおろかロシアまでもが大慌てで対処しなければならなくなるだろう。結局はいい時期に撤退を完了させた米国の一人勝ちという結論になりかねない。✒

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