世界で最も規模が大きい英語家庭教師企業の1つであるWall Street Englishが崩壊の危機に瀕している。中国政府による教育機関取り締まりの犠牲者だとSouth China Morning Postは述べる。
Wall Street Englishは2000年に中国に参入したイタリア企業だ。ピーク時には中国の11都市の71カ所で3,000人のスタッフを雇用していた。Yicai.comの報告書によれば、来週にも破産を申請するつもりだという。COVID-19の影響でスタッフは解雇されセンターは閉鎖されたそうだ。
中国の最高行政機関である国務院は7月24日に家庭教師業界を取り締まった。政府はこれらの企業を非営利団体として登録することを強制し、新企業の承認を禁じている。週末や祝日などの個別指導も禁止された。
Wall Street Englishは6月にも虚偽宣伝のために1,000万元(150万ドル)の罰金を上海当局から科された。今回の大規模な教育企業取り締まりを予期する動きとして認識されている。
Bloombergによれば、8月初旬にハイテク大手のバイトダンスはGuagua Long、Qingbei、GoGoKidなどの教育プラットフォームを閉鎖し、全てのスタッフを解雇したという。
中国の大手幼稚園から高校まで家庭教師サービスを提供するTAL Education GroupのChuxinと名乗るマーケティングエグゼクティブによれば、平日のみに動画を視聴できるようシステムを変更しているという。
「私達にとって苦痛なのは、教育が悪用されていることだ。将来の発展に影響を及ぼし、もはや教師の意見を誰も聞こうとしなくなる」
こうした取り締まりがいい影響をもたらした例もある。英語家庭教師企業のLongre Educationに勤めるHe Guは、数年前の多忙な時期には教師は休憩なしで9時間働いていたそうだ。昼食と夕食を同時に食べることを強いられていたという。
イタリア系大手の現地法人が破産申請とのことで、来週には中国株式市場はさらに下げ幅を大きくするものと思われる。中国の高度経済成長時代は終わり、真の共産主義を目指すための”大革命”が始まることになりそうだ。✒