South China Morning Postの記事一覧

    マレーシアのMM2Hが厳格化され香港人は移住を諦める

     Malaysia My Second Home(MM2H)のビザプログラムの申請者は、以前よりも多くの預金や月収について証明する必要がある。South China Morning Postが報道した。  MM2Hの申請は10月から再開されるが、自国経済への貢献をより大きくするために条件を厳格化したと内務省は述べた。すべての外国人は150万リンギット(354,000ドル)の流動資産があることを証明する必要がある。  それに加えて、少なくとも40,000リンギット(9,400ドル)の月収を得なければならない。以前は10,000リンギットで許可されていた。ビザの有効期間も5年間に半減し、申請先も観光局ではなく入国管理局に変更される。  内務省事務局長のWan Ahmad Dahlanはビザ保有者の上限にまで言及した。マレーシア総人口(3,270万人)の1%に満たないようにするという。  香港の労働者にとっては、MM2Hプログラムの厳格化に加えて政治的混乱も申請を躊躇する理由となる。マレーシアの広々とした家、リラックスした生活スタイル、およびリーズナブルな生活費にも関わらずだ。  「引退するのには最適な場所だと思っていたが、政情不安のために気が変わった」と匿名の香港の専門家は話している。  MM2HビザエージェントのOngは、現在約1,200人の香港パスポート所持者が北西部のペナンに住んでいると推定している。パンデミックが発生する前は手ごろな価格であり、多くの香港人を魅了していた。  「子供達はインターナショナルスクールで勉強するのが好きだ。香港で働く父はマレーシアとの間を往復していて、一緒に休暇を過ごすこともある。彼らは人生を楽しんでいる」とOngは述べた。  Global...

    気候変動のリスクは中国の高成長を脅かす

     地球温暖化により気温が1℃上昇するごとで、世界中で極端な降水量の災害が7%増加すると予測されている。South China Morning Postが報道した。  石炭は過去40年間で中国の経済成長を後押ししてきたが、気候変動への影響に関する最大の課題の1つでもあった。国連の報告書は、気候変動が世界の多くの地域でより激しい降雨と洪水をもたらすと警告している。  今後数年間でに発生する深刻な洪水、そして干ばつが中国の経済発展に大きな脅威をもたらす可能性がある。気候変動は地球上の水の動き、要するに雨や雪、雲の異常気象を引き起こすと報告書は述べている。  南京の北海大学教授でありIPCCレポートの著者でもあるWang Wenは「極端な洪水や干ばつは中国の社会的及び経済的な発展に対する最悪級の脅威だ」と話している。  IPCCの専門家による信頼性の高い予測によれば、地球温暖化で気温が1℃上昇するごとに世界的な激しい降水量の災害が7%増加するという。人類の活動が温室効果ガスを生み出し、1850年以降で世界の気温を1.1℃上昇させた。2040年までにさらに1.5℃上昇する可能性があるという。  「一部の低層ビルでは地下室が浸水し、電気と水の両方が遮断された。私の友人の1人は、水を得るためだけに階段を30往復しなければならなかった」と中国で洪水の災害を経験した40代前半の専業主婦は話す。  洪水はまた河南省の農業部門に大きな打撃を与えた。河南省は中国の小麦供給の3分の1を占め、トウモロコシや野菜、豚肉の生産量の10分の1を占めている。今回の洪水で260万エーカーの耕作地が浸水し、82万エーカーは完全に使用不可能となった。  世界の海面は現在の排出シナリオが継続した場合、2100年までに60cm上昇するとされている。2050年まででも海面上昇は10~25cm規模になる、とキングスカレッジロンドンの気候科学者であるTamsin Edwardsは述べる。  「海面が10~25cm上昇すれば、100年に1回クラスの洪水が沿岸地域の20~30%で発生することになるだろう」  中国でここ最近頻発する豪雨や洪水が気候変動によるものだと判明した。中国は石炭を何十年もの間使い続け、凄まじい量のCO2を地球上に排出してきた。そのしっぺ返しを今食らっているのかもしれない。✒

    中国上海市が教育改革の一環で英語の試験を禁止する

     上海の小学生は算数と中国語の適正のみで最終試験を受けることになる。一方で英語は引き続き評価される必要はあるともしている。South China Morning Postが報道した。  上海市の教育委員会が先週発表した通知によれば、英語試験は3年生(約9歳)と5年生(約11歳)のみに限定されることになる。この変更は中国の小学生の負担を軽減するための全国的なキャンペーンに対する地方自治体の動きとなる。  上海当局は2004年にも英語の試験を禁止したが、多くの人が無視して勉強を続けた。英語は上海の学生にとって主要な科目だからだ。  「当時の主な目的は、試験負担の軽減にあった。しかし一部の学校は学期終了前に英語の宿題を与え、独自に試験も実施した」と21世紀教育研究センターの副所長であるXiong Bingqiは述べた。  他の中国の地域は3年生から英語を学び始めるが、上海では1年生から学ぶ。中国の教育当局は、1980年後半から若い学生に対する負担を減らすための改革を推進してきた。ここ最近の教育改革の中で、私立塾が組織を中国政府に明け渡すよう求められていると報告されている。  教育改革の一環とは言え、中国当局が英語を狙い撃ちした意図は不明だ。私立塾への大規模な規制を踏まえれば、中国は徐々に英語を必要としない国になろうとしているのかもしれない。✒

    中国の滴滴IPOに対する中国当局の捜査が続く

     中国の捜査官の優先事項は滴滴のIPO決定責任の所在を確かめ、アプリのセキュリティ上の抜け穴を修正することだ。South China Morning Postが報道した。  滴滴の創設者と会長のCheng Wei、共同創設者とグローバルトップのJean Liu Qing、および役員のStephen Zhu Jingshiなどが株式の50%を占める。中国規制当局の意向に反してニューヨークに上場した責任を取り、意図的な詐欺行為について罪に問われる可能性がある。  「滴滴はサイバーセキュリティに関する当局の捜査に完全に協力している」と会社は水曜日に声明で述べた。  滴滴の主要な投資家にはSouth...

    香港のキャセイパシフィック航空が上半期に76億香港ドルの損失を出す

     キャセイパシフィック航空は歴史上最も厳しい時期に差し掛かっている。旅行の制限により2021年上半期に76億香港ドルの損失を出した。South China Morning Postが報道した。  上半期の旅客便の売上はわずか7億4,800万香港ドルだった。その代わり貨物事業がメインとなり、旅客事業の17倍もの規模となった。だがその収益も前期に比べて43%減少してしまっている。  前期の損失は98.7億香港ドルと記録的な水準だったが、これには一時的な減損とリストラ費用が含まれていた。調整後同社は67億香港ドルの損失を報告した。  「COVID-19はキャセイグループにとって引き続き重大な課題となった。我々の歴史の中で最も厳しい時期であり続ける」と会長のPatrick Healyは話す。  1月から6月までの旅客機の空席率は81.1%にものぼる。加えて早期退職や海外パイロットクルー基地の閉鎖、就労ビザの更新拒否などが重なり外国の客室乗務員の多くが去った。グループ全体の人数は25,600人から23,100人にまで減った。  世界的なパンデミックの再燃により、香港と他国の国境はここ半年は居住者を除き閉鎖された。最近になってワクチン接種済みの渡航者に対しては緩和されたが、中リスクの国からの渡航限定となる。キャセイは全てのスタッフに対して旅行の再開に備えるためにワクチン接種をするように命じた。  キャセイパシフィック航空はシンガポール航空と同様に国内市場が存在しないことから、厳しい経営状況が続くことになる。ワクチン接種済みだけを対象に国境を開いたとしても、感染が拡大すれば再度閉鎖となり再び厳しい状況に戻る。いつまでも同じやり方を続けることはできない。✒

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    テスラが中国のGanfengとリチウムバッテリー供給契約を結ぶ

     Ganfeng Lithium Coはテスラと契約を結び、2022年から24年まで水酸化リチウムバッテリー製品を供給すると月曜に明らかになった。  Ganfengは詳細を開示しなかったものの、実際の数量と価格についてテスラからの発注書に言及した。この契約はテスラとの長期的で安定した協力を強化するために有益であるとも述べた。

    テスラはまだHertzとの契約書に署名していないとイーロンマスク氏が明らかに

     レンタカー企業のHertzが大規模な取引について発表してから1週間が経過したが、テスラCEOのイーロンマスク氏はまだ契約を結んでいないと表明した。これによりテスラ(TSLA)の株価や5%急落して1,146ドルになった。  マスク氏は月曜遅くに「Hertzに基づいた情報だとすれば、まだ契約が結ばれていないことを強調したい」とツイートし慎重な姿勢を見せた。  ただし「Hertzとの取引は我々の経済には影響を与えない」とも付け加えた。  テスラとHertzは双方ともコメントには応じなかった。  HertzのCEOであるMark Fieldsは先週、注文に含まれるのは多くがモデル3だと明らかにしていた。モデル3の価格が44,000ドルから始まると考えれば、注文全体の価値は約44億ドルとなる。

    アップルがiPhone 13の生産を優先しiPadを後回しにする

     アップルはiPadの生産量を減らすことを決めた。日経アジアが明らかにした。世界的なサプライチェーンの停滞を受け、iPhone 13の販売に支障が出ないようにリソースとコンポーネントを優先的に割り当てることにした。  だがiPadの需要はパンデミックにより増加している。昨年は6.7%増の5,320万台のデバイスが販売され、世界のタブレット市場の3分の1を占めた。  iPhone 13シリーズはiPad miniと共通のチップセットのA15 Bionicが搭載されている。今回の減産により四半期のiPadの収益に影響が出る可能性をアップルは認識しているようだ。  アナリストはアップルの決定にさほど驚いていない。iPhoneが優先されるのは当然だとCounterpoint Researchの技術アナリストBrady Wangは話す。アップルのスマートフォン販売数は年間2億台以上であり、アップルのエコシステムの中心軸となっている象徴的な製品だからだ。

    アップルのHomePod miniが5色展開で購入可能に

     HomePod miniは印象的なサウンドを提供しながら、iPhoneとシームレスに連携し、Siriのインテリジェンスも備えている。スマートホームの基盤となるだろう。  HomePod miniは白とスペースグレーに加えてオレンジ、黄色、青の大胆な新色を展開させた。あらゆるスペースで個性的なスタイルを表現するためだ。価格はわずか99ドルとなる。  3.3インチの高さのHomePod miniは、小さなサイズのスピーカーで予想外に大きなサウンドを提供するための革新的な機能を搭載している。計算されたオーディオにより豊かで詳細な音響体験を提供し、あらゆる角度から素晴らしいサウンドを実現する360度オーディオで部屋を充実させる。  複数のHome Podスピーカーを使用すれば、ユーザーは家中で同じ音楽を再生したり、ステレオペアを作成して没入感を体験することができる。Apple Musicともシームレスに連携する。  iPhone 13 ProはHomePod miniと相互作用する。何が再生されているかを確認したり、パーソナライズされた音楽リストを提案したり、iPhoneが近くにあると自動で音楽を再生したりもできる。

    SpaceXのハロウィーン打ち上げが天候により延期される

     SpaceXはハロウィーンの日曜日に4人の宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに打ち上げる予定だったが、NASAとの協議の結果大西洋の気象条件が思わしくなかったことから今週水曜に延期されたようだ。  NASAの報道官は打ち上げが11月3日水曜日の午前1:10ETになったとツイッターで発表した。ケネディ宇宙センターで行なわれる予定だ。  今回打ち上げられる宇宙飛行士は軌道に入り、既に働いている7人のメンバーと合流して科学ミッションに従事することになる。SpaceXにとって4番目の有人ミッションであり、民間宇宙飛行全体では5番目だ。  SpaceXが今回使うドラゴン宇宙船は合計30回の打ち上げに使われ、最大7人の乗員を運ぶことができる。そのまま宇宙ステーションにまで到達できる最初の民間宇宙船となっている。