香港の厳しい感染対策が裏目に出た。欧州とのフライトを増やさなければ、貴重な滑走路のスロットを失ってしまう可能性がある。South China Morning Postが報道した。
航空業界の業界団体責任者によれば、香港含むアジアの航空会社は厳しいCOVID-19規制により欧州の空港にアクセスできなくなる可能性がある。年末までが期限としている。IATAのチーフであるWillie Walshは、定期的なフライトスケジュールに移行できない場合、すぐに罰せられる可能性があると述べた。
これを避けるために、航空会社は欧州の主要な空港に向けて空っぽの飛行機を飛ばすことを余儀なくされる可能性があるようだ。
欧州委員会は7月23日に、すべての航空会社は11月から来年4月までの間に割り当てられた空港の滑走路スロットの半分を使用する必要があると通知した。パンデミックから生じる例外的な状況を理由にすることはできないという。
香港航空会社のキャセイパシフィックは、欧州からの圧力で最も危険な状態にさらされている企業の1つだ。香港当局は世界で最も厳しいパンデミック対策を実施しており、中国本土との再開が最優先事項だと明確にしている。
Walshは航空会社への事実上の処罰には反対する立場のようだが、アジア各国の政府が厳しいパンデミック制限措置を維持している限り、この地域の旅行の回復は遠いままだと述べた。COVID-19との共存に移行するようにも促している。
香港企業に事実上踏み絵を迫った形となった。COVID-19との共存を模索せず厳しい感染対策を維持するようなら、国際金融センターとしての地位は完全に失われるだろう。欧州とのフライトが消えれば名実共に中国の一部となる。✒
