中国自動車メーカーNIOのES8 SUVが致命的な事故を起こした後、自律機能を提供する自動運転システムについての議論が勃発した。South China Morning Postが報道した。
警察はNIOのNavigation On Pilot(NOP)システムに関する調査を開始した。これにより電気自動車に対する安全性の懸念が高まり、中国での販売に打撃を与える可能性がある。
業界関係者やアナリストはさほど動揺はしていないようだ。自動車業界の研究者であるDavid Zhangは「事故は悲劇的であったが、自動車メーカーは技術リスクを評価する段階にある。”死刑宣告”を出すのは早すぎる」と話す。
8月12日、31歳のある起業家がNIOのES8 SUVを運転していた最中に事故を起こしこの世を去った。山東省の警察はNIOの協力により調査を開始している。NIOは声明の中でNOPシステムがオンになっていた時に事故が発生したと述べた。
NIOのオーナー同士での対立も発生している。500人の所有者がNIOの公式アプリチャットで企業を擁護したが、他の何千人ものオーナーから同社はNOP機能の詳細について十分に情報を提供していないとして抗議されることになった。NOPの使い方に関する詳しい説明をNIOの営業スタッフからされていないという意見もあった。
それに加えてNIOは販売台数も落としているようだ。8月には5,880台を出荷したものの、前月比で26%の減少となった。競合のLi Autoは同月に9,433台を出荷し、前月比で9.8%売上を伸ばしている。
日本ではあまり報道されていない中国製自動車の事故だが、自動運転技術に関する欠陥が原因ならば今すぐ全台リコール対象にすべきだろう。中国に自動運転車を製造するのは100年早かったのかもしれない。✒