米国政府の高官が東南アジアを訪問している時、中国はオンラインのASEANサミットに出席していた。South China Morning Postが報道した。
オースティン米国防長官がバイデン政権で最初に東南アジアを訪問する高官となったが、「この地域の国々に米中どちらかを選択するよう求めてはいない」とシンガポールで強調した。
「残念ながら北京は紛争を平和的に解決したいとは思っていない。法の支配を尊重することにも不本意のようだ」とオースティン長官は付け加えた。
シンガポール南洋理工大学の准教授であるLi Mingjiangは、中国と米国の間の深刻化する対立は東南アジア諸国を不安にさせるだろうと述べている。
「スピーチの口調では、彼が地域諸国と米国とのパートナーシップを強化することを望んでいるように聞こえた。実際に米国の味方をするように説得しようとしていた」とも話した。またシンガポールのリーシェンロン首相も、東南アジア諸国がどちらかを選ぶことを余議されたくはないと述べている。
一方ブリンケン国務長官はインドを初めて訪問し、ニューデリーでモディ首相と会談しながらクアッドパートナーシップを拡大し地域の利益を最大化するというコミットメントを繰り返した。
中国政府も動いている。オースティン国防長官がベトナムのハノイを訪問している際、外相のWang YiはASEANとの正式な関係を締結した30周年のオンラインサミットで「アジアの特徴を備えた多国間主義」を採用するよう訴えかけていた。
「中国は常にASEANを外交の優先事項にしている」とも述べた。
アジア太平洋地域を巡って米中の神経戦が続いている状態だが、東南アジア全体としては中国との関係を無難に深めたいという意思があるように見える。特にシンガポールは米国の要望を圧力や説得の類だと捉えているようだ。✒