シンガポールの住民はパンデミックとの戦いにうんざりしている。COVID-19を風土病として扱い共に暮らす準備をしていると大臣が述べたそうだ。South China Morning Postが報道した。
シンガポール政府のCOVID-19タスクフォースを共同で率いる3人の大臣が、論説のなかで風土病として扱う計画について述べた。これには複数年のブースターショット、毎日の症例における監視からの移行、および集会の復活が含まれる可能性があるという。
世界からCOVID-19を排除するための信頼できる方法がすでに存在しない中、異なるアプローチが必要かもしれないということだ。インフルエンザウイルスのような複数年のブースターショットなどが考えられるという。シンガポールではすでに人口の半分が1回目の接種を受けた。
「全ての人が質問している。パンデミックは、いつどのように終わるのか?」とGan Kim Yong大臣、Ong Ye Kung大臣、Lawrence Wong大臣は述べる。「悪いニュースは、COVID-19が消えることはないかもしれないこと。よいニュースは、我々はそれらと風土病として共存できる可能性があることだ」
インフルエンザのように、COVID-19はコミュニティの中で変異し生き残るとしても、ほとんどの人が入院する必要もなく薬も使わずに回復するだろうと大臣は続けた。
「我々はそれを根絶できないが、インフルエンザや手足口病、水痘など脅威の少ないものに変えていくことができるだろう」
大臣は、ワクチン接種を受けた人々の感染率がそうでない人より30倍以上低いことを示すイスラエルのデータを引用した。シンガポールではナーシングホームの居住者などで接種済みの感染者が出たが、全員が無症状か軽度の症状であったという。対照的に、未接種のうち8%程度が深刻な症状に見舞われたと明らかにした。
当局はまた、感染者のトレーシングや検疫を廃止する可能性にも触れた。人々が感染したかどうかを自分自身で確認できる簡単かつ高速なテストが普及しているためだという。旅行もそれに応じて再開され、帰国時に検査結果が陰性ならば検疫が免除される可能性もあるそうだ。
感染者数を比較的制御してきたシンガポールでさえ、終わりの見えない制限に限界を感じているというのは衝撃的と言えるかもしれない。風土病として認められる水準がやや厳しいが、インフルエンザやデング熱などと同様の扱いにできれば以前の世界が戻ってくることになるだろう。✒
