海外に滞在する香港永住者は、3年以内に戻らない場合居住権を失うリスクがある。多くの人が居住更新規則の緩和を求めている。South China Morning Postが報道した。
米国市民のElliot W.は香港の永住権を維持するために航空券に1,900ドルを費やし、検疫ホテルで21泊することになった。「この旅行は、私の家族全員を香港に連れて行くよりも費用がかかる」と述べた。
香港外に住む中国国籍以外の永住者は、3年以内に帰国する必要がある。そうしなければ政府の給付金や選挙権だけでなく、居住権を失うリスクがある。永住権が失われた場合でも入境する権利はあるものの、低い移民ステータスとなってしまう。
「最も問題なのは、旅行を避けなければいけない時期に旅行せざるを得ないことだ」とElliotは付け加えた。3年間の規則を一時停止する寛大さが必要だという。
カナダ人のSteven Wongはトロントから香港に戻ったが、在留期間が切れるまであと数日だった。ソフトウェア業界に勤める前は香港で11年間働いていたことから、永住資格を得るのに必要な最低7年をはるかに超えていた。
「子供の頃から香港が大好きで、ステータスを失うのは残念だ」とStevenは語った。
英国に住むJimの場合、香港に行く前にリスクの低い国で3週間過ごす必要があるという。香港当局が英国からの入境を厳しく規制したからだ。マレーシアに住むTanは、永住権を放棄しなければならない。マレーシアでの厳しい旅行制限のために、海外に出ることが許されないからだ。
「香港のIDカードは市民権以外のすべてだ。感情的な繋がりも大きい。それを失うのは悲しいことだ」
香港を出て他国に移住する人もいれば、香港永住権を維持するために21泊もの隔離を受け入れる人もいる。厳しい隔離措置や渡航の制限以上に、中国本土の政治的な脅威について考えてみるいい機会かもしれない。✒