アナリストはデジタル人民元を適切に使用できない場合、重大な経済リスクや金融危機を引き起こす可能性があると警告している。South China Morning Postが報道した。
中国の北京大学のデジタルファイナンス部長によれば、デジタル人民元により資本規制を緩和することのいい点と悪い点を比較検討する必要がある。人民元は主に国内の小売部門で使用されることを目的としているが、人民元の国際化にそれが役立つかどうかを議論すべきという話だ。
マクロ経済政策の専門家のHuang Yipingによれば、中国の国境を越えた決済システムにおける当局の監視能力を強化するのには役立つという。これにより当局が経済的なリスクを迅速に検出し、緩和を早期に展開することができる。マネーロンダリングの防止やサイバーセキュリティの観点も重要だ。
「問題はその技術を使い悪事を行なう投機家だ。テクノロジーは常に諸刃の剣で、適切に行なわなければ重大な経済リスクや金融危機発生に繋がる」
中国の金融サービス部門は依然として外国人投資家にほとんど閉鎖されていて、国境を越えた資金の流れは厳格な資本規制によって制限されている。
中国本土での厳しい資本規制は開かれた香港とのセットで成立してきたが、今後デジタル人民元により中国自身がその役目を負うことになれば裏目に出かねないという話だ。地下経済も活発化していた中で、マネーロンダリングの撲滅が中国にとってどのような打撃となるかは未知数だ。✒
