豪州の住宅市場の牽引者は今や中国人ではなくなったようだ。South China Morning Postが報道した。
2015年にシドニー郊外のChatswoodで外国人の住宅購入者を非難する抗議デモが起きた。”Keep the Aussie dream alive, We don’t want your dirty $$”と書かれていた。Lane Coveの住民は”Stop the Chinese Invasion”というタイトルのチラシを見つけてショックを受けたという。
自由党のNick Folks議長は、それが中国やイスラム教徒などをターゲットにしているだろうと語った。
2013年から2018年の間に中国本土からの投資家が急増し、驚異的な価格上昇を実現させたのは事実だ。シドニーの住宅の中央値は750,000ドルにも達し、メルボルンでも700,000ドルとなった。だが今では中国の購買者はほとんどいないそうだ。
それでも住宅価格が上昇し続ける理由として、大手住宅アナリストのCore Logic AustraliaのTim Lawlessは「主に地元の需要に支えられている。過去最低の住宅ローン金利と予想よりも強い景気回復に後押しされていることから、消費者心理を引き上げている」と述べている。
外国人購入者は新規購入者全体の3.7%にすぎないとLawless氏はNAV Residential Property Surbeyを引用しながら話す。「中国の購買者はもはや住宅価格に貢献していない」
中国マネーに頼らずとも不動産市場を維持できると示した形になるが、今後その傾向はさらに強まるだろう。中国では引き締めと緩和を繰り返すなど金融政策もあいまいで、大企業への締め付けも始まった。海外投資どころではなくなるかもしれない。✒
