米国政府は中国のしっぺ返し制裁を根拠のないものだと唾棄した。シャーマン米国務副長官の訪中に先立ち緊張度が高まりつつある。South China Morning Postが報道した。
米国政府は、中国が6人の米国個人や組織に対して実施した制裁はグローバルコミュニティからの孤立を示すものであり根拠のない行動だと述べた。米国務副長官が天津に訪れるのに先立ち報復措置を実施した形になる。
「これらの行動は、政治的シグナルとして民間人を罰する中国政府の最新の手口を示すものである。中国の悪化する経済情勢や政治リスクの高まりは無視できない」とホワイトハウスのサキ報道官は述べた。
「国際的に尊敬されるNGOを脅しいじめようとする北京の試みは、世界からのさらなる孤立を招くだけだ」と付け加えた。
シャーマン米国務副長官の訪中予定に変更はないという。
制裁対象の中に米国元商務長官のウィルバーロス氏が含まれているのが注目すべき点だ。他にも米中経済安保委員会委員長のCarolyn Bartholomew氏、連邦議会執行委員会のJonathan Stivers氏などが制裁の対象となっている。
今回の制裁は中国の反外国制裁法の初の適用例とも言われている中で、一線を踏み越えたような印象がある。米国との対立は無視できないほど強まりつつある。シャーマン副長官の訪中時に何が議題となるかは不明だが、香港情勢を巡ってさらなる応酬があるかもしれない。✒