国家安全法に違反するとみなされたり、治安法に基づいて逮捕された人々によって執筆された書籍は撤去の対象となる。South China Morning Postが報道した。
香港の学校は夏休みの間に、香港の親中派メディアの標的となった書籍や台湾問題などを取り上げた書籍を撤去している。意外な所では、ジョージオーウェルのAnimal Farm(邦題:動物農場)なども含まれる。
どの書籍が禁止されるという明確なリストはない。ただ中国当局の取り締まりを恐れる図書館員が、慎重に検討した上で自主的に撤去しているだけに過ぎない。ジョージオーウェルの作品は、全体主義体制を描写していることから俎上に載ったようだ。
中国当局によって逮捕された野党政治家の書籍や、その他親中派メディアによって批判された本は危険にさらされる可能性があると図書館員は話している。「司書として、私達はもっと慎重にならなければならない」とSusanna Lau Po-shanは述べた。
少なくとも1つの学校では既に台湾の蔡総統の伝記が撤去され、別の学校では共産主義者に敗北した国民党兵士の歴史的記録が撤去された。元法務省の検察官であるEric Yung Tat-yeungが共同出版した人権と法的保護に関する本も撤去された。「権力者によって迫害されている」という本の一部の記述が問題となっている。
ベテランの台湾金融ジャーナリストが選挙について書いた伝記も撤去された。台湾が自ら総統を選ぶ国との記述があるからだ。中国政府は台湾を国ではなく自治州とみなしている。
香港から言論の自由が消えようとしている。中国政府が明確に禁じたわけではなく、香港人に取り締まりの恐怖感を与え自主的に撤去させようとしているのが一層恐ろしい。こうして香港は中国共産党に忠誠心を誓うようになるのだろう。✒
