河南省で発生した豪雨の犠牲者が突如3倍に増加したことで、香港紙大手のSouth China Morning Postでさえも中国当局の発表に疑問を持つようになった。
洪水管理の専門家であるYin Jieによれば、中国の官僚主義と回復ペースの遅さが犠牲者数を増やし続ける原因となっている可能性がある。河南省の当局は先週木曜日の時点で99人としていた犠牲者数を、一気に302人へと引き上げることになった。
「ブラックスワンの洪水から回復し始めたばかりの農村地域では、今後数週間から数カ月間に渡り犠牲者数が増加するだろう」
鄭州が洪水に見舞われてから約3週間が経過し、公式の犠牲者数が突然増加したことで隠蔽の可能性が懸念されるようになった。3日間で約617mmもの雨量が記録された。同省における1年分の量に相当するという。
中国の内閣である国務院は災害調査のための人員を省に派遣すると発表した。大惨事を科学的に評価し、勧告を行ない、過失が見つかった場合には省当局に説明責任を負わせることになる。
「鄭州の統計は比較的詳細で正確だろう。だがXinxiang(新郷)はまだ不明確な部分が多い。多くの場所が未だに泥に浸かったままだ」とYinは話す。「これらの数値は最終的な物ではなく、逐次更新される予定だ。多くの場所が災害の余波から回復できていない。今は犠牲者数の発表よりも救助を優先している」
彼は意図的な隠蔽があった可能性は低い、と最後に強調した。
鄭州の地下鉄駅前に置かれた花束に関する説明はなく、中国国務院が送り込む調査タスクフォースも正確な発表をすることはないと考えられる。意図的な隠蔽ではなく、無意識のうちに隠蔽に手を染めてしまったと考えるのが自然だろう。✒