中国政府は「言論とイデオロギーは中央政府によって管理される必要がある。教育自体を是正しなければならない」としているようだ。South China Morning Postが報道した。
今年3月に家庭教師大手の代表が中国の教育省との会合に呼ばれた際に、教材と教育内容が高度な検閲の対象になると言われた。彼らは配布物を一夜にして変更することはできず、レビューを実施するために膨大な数のスタッフを必要とすると釈明した。
そして7月、教育省が詳細な計画をまとめる前に、地方議会は家庭教師企業が営利活動を行なうことを禁止した。それと同時に海外からの投資を制限することにもなった。資金調達の手段が断たれたことになる。
この大規模な規制で数百億ドルもの教育産業がひっくり返されることになった。中国の試験で成功するために不可欠だと長い間考えられてきたにも関わらず、だ。
「この前例ない取り締まりは上層部からのものであり、教育省のレベルではない」と情報筋は話す。「その意図は教育の是正そのものだ。民間企業への締め付けとは違う」と付け加えた。
「言論やイデオロギーや中央政府によって管理される必要がある。省レベルの懸念事項だ。しかし家庭教師産業は独自の言説を何年にも渡って構築してきた」
北京に本拠地を置く国営ニュースのChina News Weeklyによると、家庭教師産業には数百万人もの雇用が存在する。多くはパートタイムの学生スタッフで、副収入を増やしたり学位を取得しようとしている。パンデミックの最中には需要が急増し、一部大規模なプラットフォームは巨額の資金を調達することになった。
データマイニングプラットフォームのiiMedia Researchは2020年のオンライン教育市場が10%成長して4,540億元(725億ドル)になると推定した。
7兆円規模の産業を潰すほどの規制とは、並々ならない覚悟と言えるだろう。家庭教師すべてを監視することは現実問題として難しいから、一律で営利活動を禁じるしかなかったものと思われる。中国の株式市場にとっては最悪の展開だ。✒