インドネシア、マレーシア、フィリピン、インドなどの一部の当局者や独立した医療グループは、イベルメクチンを奇跡の治療法と称賛している。South China Morning Postが報道した。
イベルメクチンは、人間の寄生虫感染症を治療するために使用されているが、動物向けの方がより一般的だという。WHOはCOVID-19の患者を治療するためにイベルメクチンを使うのは根拠がなく決定的ではないと述べる。
インドネシア全国の薬局が販売ブームを報告しており、BukalapakやShopeeなどのeコマースサイトでは売り切れが続出している。北スマトラのメダン市にある薬局の薬剤師は「人々が群がっていた」と述べる。
インドネシアの大統領首席補佐官であるMoeldokoは月曜、イベルメクチンは伝統的に寄生虫の治療に使用されてきたと述べた。パンデミックは今や危機的な状況に達したとも付け加えた。
「イベルメクチンがCOVID-19の患者を治療するための解決策になり得ると思う。非常に楽観的だ」とMoeldokoは付け加えた。広く人気がある元海事水産大臣のSusi Pudjiastutiもこの薬を称賛していて、Paracetamolやビタミンと共にイベルメクチンを服用したと述べた。
インドネシアだけでなく、マレーシアやフィリピン、インドなど他のアジア諸国でも寄生虫薬への関心が高まっている。これらの地域での感染者が急増するに伴い、影響力のある当局者や独立した医療グループがイベルメクチン使用のキャンペーンを強化している。
だがWHOや米国食品医薬品局は危険性を指摘する。馬用のイベルメクチンのセルフメディケーション後に入院した患者の報告を複数受けた、と米国の当局者は述べた。「周りには多くの誤った情報がある。大量に服用してもいいという情報は、全く事実ではない」
アジアでイベルメクチン称賛の傾向が高まっている理由について、ワクチン接種の推進に失敗していることが背景に挙がると医療専門家は示唆した。Depokのインドネシア大学病院の呼吸器医療ユニットを率いるIrandi Putra Pratomoは、政治家が科学的プロセスの役割を軽視していたと語った。「インターネットのランダムな未確認情報を当てにせず、専門家に助けを求めるべきだ」
東南アジア諸国はワクチン接種率が低い国が多く、それゆえに根拠のない医療情報に惑わされている…という論調にはやや違和感があった。ワクチンを先進国が独占しているという事情もあり、やむを得ない部分があるものと思われる。✒
