3月 29, 2024

    香港の金融当局はアルケゴスのような事態を避けるために監視を強化する

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    中国恒大集団の債務再編は回避不可能で苦痛を伴う

     アジアのハイイールド債とディストレスト債に焦点を当てる投資家は、3,000億ドルを超える負債を蓄積した中国恒大集団(Evergrande)に新たな資本増強を求めている。South China Morning Postが報道した。  市場の売り圧力と警告を封じ込めるのに苦労している同社は、主要資産の投げ売りを防ぐために債務を再構築しなければならないと一部のアナリストは述べている。複数の信用格下げがデフォルトの可能性を示している。  Bloombergは先週、金融安定開発委員会が債権者との返済期限交渉に関する同社の提案を承認したと報道した。  香港のSC Lowy Financialの最高経営責任者であるMichel Lowyは、ジャンク債と不良債権に焦点を当てている。「Evergrandeは存続すると信じているものの、何らかの形の債務再編はほぼ不可避と考えている」  元Cargillとドイツ銀行とトレーダーであるLowyは、リーマンショックの後2009年に投資銀行と資産運用会社を共同設立した。同社は今年上半期に世界で105億ドル、2020年には225億ドルのハイイールド債を取引した。  Bloombergのデータによれば、2025年6月に期限が到達するEvergrandeの8.75%の社債は金曜日に31セントで取引された。5月末の84セントから急落している。2022年3月期限の社債も99.6セントから35セントにまで落ち込んだ。市場は既にデフォルトやヘアカットのリスクを織り込んでいることになる。  徐々に世界で巨額負債の問題が報道されるようになってきたが、債券価格が既に75%暴落していることからデフォルトを織り込んでいるようにも見える。同社の隠れ負債が出てくる可能性もある。✒

    香港へ就職する人が大幅に減り続けている

     21日間もの検疫は香港へ家族と共に渡航する就業者の足を遠のかせている。South China Morning Postが報道した。  COVID-19の規則が絶えず変化していることにより、香港への渡航はますます困難になっている。フィリピン出身の28歳のBernは5月に香港企業からのオファーを受けたが、フィリピン航空とセブパシフィック航空の渡航者から陽性者が出たことにより2週間の着陸禁止措置を受けた。就労ビザはこの12月で切れてしまう。  「その街で働くためだけに狂気を感じたり、怒ったりすべきなのかは分からない」  香港はパンデミックの影響を最小限に抑えることに成功したものの、国境を再開することには極めて消極的だ。リスクが高い国からは21日間の検疫を実施しているし、全ての国のワクチン接種記録を認めているわけでもない。  入国管理局は発行された就労ビザが大幅に減少したことを明らかにしている。今年の1月から6月までに発行された就労ビザは6,471件だったが、昨年の同時期は7,717件であった。2019年には年間で35,194件ものビザが発行されたことを考えれば、大幅な減少と言える。  特に米国人に対する就労ビザは昨年70%激減した。豪州や英国からのビザもそれぞれ67%、65%減少した。それにより才能ある外国人が香港から流出することになった。  転職企業Relo SmartのディレクターであるLars Kuepperは「家族と一緒に海外から採用者を転勤させることは難しい。3週間の検疫があるからだ」と話している。ほとんどの人材は英国やシンガポールに流れるという。  香港が厳しい検疫を緩和することはおそらくないだろう。中国本土との往来を何より優先しているからだ。法律だけでなく人材や資本まで離れてしまえば、香港は国際金融センターとしてのポジションを失うことになる。✒

    香港のクリエイティブ産業が国家安全法で終焉を迎える

     香港のクリエイティブコミュニティは、新しい検閲により映画がブロックされ書籍が標的にされて文化大革命のようだと嘆いている。South China Morning Postが報道した。  香港で受賞歴のある映画監督のKiwi Chow Kwun-waiは先月のカンヌ映画祭で話題となったが、投資家は彼から撤退せざるを得なくなった。2019年の反政府デモの際に広く使用されたスローガンからそのタイトルを取った映画だ。  Chowは国家安全法の施行により逮捕される準備ができていると話した。映画の著作権は売却し、法的な影響を避けるためにクリップをすべて削除した。「全てが恐怖に包まれた。これ以上映画を香港の公の場で見せたり、地下上映場に持っていくこともないだろう」  彼は映画を制作したチーム、映画のためにインタビューを受けた人々、そして場所を提供した市民の生活を守りたかったようだ。  香港当局者と建制派はChowの仕事を調査し始めた。また国家安全法に違反したと思われる映画を禁止するためにガイドラインを改訂し、検閲を承認することになった。これには過去に発表された映画も含まれる。  香港のクリエイティブ産業が終焉を迎えることになった。中国当局の取り締まりを恐れるだけでなく、自分の仲間や協力者までもが連鎖的に逮捕されることまで気にかけなければならない。民主主義、そしてすべての自由が失われた。✒

    マレーシアのMM2Hが厳格化され香港人は移住を諦める

     Malaysia My Second Home(MM2H)のビザプログラムの申請者は、以前よりも多くの預金や月収について証明する必要がある。South China Morning Postが報道した。  MM2Hの申請は10月から再開されるが、自国経済への貢献をより大きくするために条件を厳格化したと内務省は述べた。すべての外国人は150万リンギット(354,000ドル)の流動資産があることを証明する必要がある。  それに加えて、少なくとも40,000リンギット(9,400ドル)の月収を得なければならない。以前は10,000リンギットで許可されていた。ビザの有効期間も5年間に半減し、申請先も観光局ではなく入国管理局に変更される。  内務省事務局長のWan Ahmad Dahlanはビザ保有者の上限にまで言及した。マレーシア総人口(3,270万人)の1%に満たないようにするという。  香港の労働者にとっては、MM2Hプログラムの厳格化に加えて政治的混乱も申請を躊躇する理由となる。マレーシアの広々とした家、リラックスした生活スタイル、およびリーズナブルな生活費にも関わらずだ。  「引退するのには最適な場所だと思っていたが、政情不安のために気が変わった」と匿名の香港の専門家は話している。  MM2HビザエージェントのOngは、現在約1,200人の香港パスポート所持者が北西部のペナンに住んでいると推定している。パンデミックが発生する前は手ごろな価格であり、多くの香港人を魅了していた。  「子供達はインターナショナルスクールで勉強するのが好きだ。香港で働く父はマレーシアとの間を往復していて、一緒に休暇を過ごすこともある。彼らは人生を楽しんでいる」とOngは述べた。  Global...

    香港のキャセイパシフィック航空が上半期に76億香港ドルの損失を出す

     キャセイパシフィック航空は歴史上最も厳しい時期に差し掛かっている。旅行の制限により2021年上半期に76億香港ドルの損失を出した。South China Morning Postが報道した。  上半期の旅客便の売上はわずか7億4,800万香港ドルだった。その代わり貨物事業がメインとなり、旅客事業の17倍もの規模となった。だがその収益も前期に比べて43%減少してしまっている。  前期の損失は98.7億香港ドルと記録的な水準だったが、これには一時的な減損とリストラ費用が含まれていた。調整後同社は67億香港ドルの損失を報告した。  「COVID-19はキャセイグループにとって引き続き重大な課題となった。我々の歴史の中で最も厳しい時期であり続ける」と会長のPatrick Healyは話す。  1月から6月までの旅客機の空席率は81.1%にものぼる。加えて早期退職や海外パイロットクルー基地の閉鎖、就労ビザの更新拒否などが重なり外国の客室乗務員の多くが去った。グループ全体の人数は25,600人から23,100人にまで減った。  世界的なパンデミックの再燃により、香港と他国の国境はここ半年は居住者を除き閉鎖された。最近になってワクチン接種済みの渡航者に対しては緩和されたが、中リスクの国からの渡航限定となる。キャセイは全てのスタッフに対して旅行の再開に備えるためにワクチン接種をするように命じた。  キャセイパシフィック航空はシンガポール航空と同様に国内市場が存在しないことから、厳しい経営状況が続くことになる。ワクチン接種済みだけを対象に国境を開いたとしても、感染が拡大すれば再度閉鎖となり再び厳しい状況に戻る。いつまでも同じやり方を続けることはできない。✒

     SFCの福最高経営責任者のJulie Leungは、アルケゴスのようなファンドが一夜にして勝利から敗北に変わる可能性があると述べる。香港規制当局はリスク管理を強化し、マージン貸し付けの過剰なレバレッジを防止することに積極的になっている。

     そのような不測のイベントが発生するリスクを軽減するために、店頭市場への視線を強化してポジションの蓄積を特定する。特にプライムブローカーの活動を監視している、とJulie Leung氏は語った。

     「私達は一部の企業に対し、ストレステストや目標設定、予想される償還パターンの評価に対して、流動性の監視と堅牢性の強化を呼びかけた」

     3月のアルケゴスのメルトダウンにより、クレディスイスやノムラ、モルガンスタンレーなどに100億ドル以上の損失が生じた。韓国系米国人の投資家HwangはバイアコムCBSなどの企業に大きく書けたが、マージンコールに応じることができなかった。現在米国司法省と証券取引委員会の両方によって調査されている。

     Hwangのヘッジファンドは、中国本土の2つの銀行の株式投資インサイダー取引で有罪判決を受け、2018年まで4年間香港での取引を禁止されていた。SFCはまた、2019年10月に証券会社が顧客資本の5倍で株をレバレッジ取引するために貸し出せる金額に上限を設けた。以前は証拠金に制限はなかった。

    Source: South China Morning Post
    https://www.scmp.com/business/companies/article/3136367/hong-kong-securities-watchdog-has-stepped-scrutiny-avoid