中国のギグワーカー(契約労働者)の多くは、よりよい生活を求めて大都市圏に移動している。ビッグデックのオンデマンドプラットフォームは、契約上の義務をアウトソーシングすることでギグワーカーに保険をかけずに済む。South China Morning Postが報道した。
Cui Xuedongは電動自転車の上で長い一日を過ごした後、マイクとアンプを備えた自作のカラオケブースで90年代のラブソングを歌っている。
「これが私のリラックス方法だ」52歳の彼は、配送サービスの巨人Meituanのロゴが入った黄色いヘルメットとベストを着用している。彼は6年前、よりよい仕事の機会を求めて内陸部の湖南省から北京に来た。
午前6時から午後4時まで用務員として働き、月に約5,000元(780ドル)を稼いでいる。昼休みと夜にCuiは電動自転車で食品を配達する。1日当たり40の注文をさばくことで、160元の収入を得ている。
「私達は社会の底辺にいる労働者だが、この仕事は私にとっていい収入だ」
彼はMeituanやEle.me、Didi Chusingのような配車サービスを含む、中国のインターネットプラットフォームで働く2億人のギグワーカーの一部に過ぎない。大都市には仕事が豊富にあるが、移住した労働者が利用できる仕事は最低限の保護しか提供していない。
これらのギグワーカーは中国の戸籍制度で定められた正式な居住者ではないことから、公共サービスを利用できなくなるだけではなく、労働法により提供される基本的な福利厚生を受ける権利もない。
中国の中央部の河南省出身のGaoという35歳の主婦は、先月北京でMeituanの配達員になった。それで8歳の息子の教育のために十分な貯蓄をすることができた。彼女は配送業者自体とは直接関係がなく、Meituanの請負業者として働いている。契約の内容さえ知らされないようだ。
「私は田舎の出身なので、名前の書き方を知っているだけで十分です。詳しいことは聞いていません」
中国では都市部と農村部の格差が激しいが、それにはこうした身分の差とも言える深刻な分断が発生していることが背景にありそうだ。田舎には仕事がないが、都市部に出たところで人並みの生活を保障されるでもなく、毎日危険な目に遭いながら生きていくしかないと言える。🖊