教育セクターに対する中国政府の厳しい規制により、香港に上場する15の家庭教師企業から合計58億ドルもの価値が失われた。中国と香港の株式は世界的に見て最悪なパフォーマンスとなっている。South China Morning Postが報道した。
国際金融資本による中国株への投資欲が失われ、熱が急速に冷え込んでいる。テクノロジー株だけで6,000億ドルを売却したが、その中には中国のEvergrandeの138億ドルや教育テクノロジー株の58億ドルなどが含まれている。容赦ない中国当局の取り締まりにより、さらなる経済ショックが起こる可能性があることから投資家は警戒を強めている。
BlackRockは中立的な立場を維持しているものの、UBSはすでに愛想を尽かしている。上海と深圳の株式市場は今年の利益をすべて失い、香港のハンセン指数は去年10月初旬以来の最低水準に落ち込んでいる。
「金融政策と財政の引き締めは、中国の全体的なタカ派の政策スタンスの1つの側面に過ぎない。不動産価格の上昇と独占禁止法違反の取り締まりも重要な決定要因だ」とBlackRockのストラテジストのWei Liらは先週のレポートで述べた。
Bloombergによれば、上海総合指数は過去12カ月でたったの6.8%しか上昇しなかった。これは世界で最もパフォーマンスが悪い10市場にランクインしている。香港のハンセン指数に至ってはマイナス4.7%であり、世界のワースト3に入ることになってしまった。CSI 300インデックスも3月初旬以来世界平均を大きく下回っている。
中国のルネッサンス証券によれば、中国のテクノロジーセクターは独占禁止法、支配権の濫用、M&A、業界に関連する事件などにおいて当局の規制の不確実性にさらされ続ける可能性があるという。特に教育部門ではほぼ全ての業界関係者が大きな影響を受けるだろうと付け加えた。
連日高値更新を続ける米国の株式指数とは異なり、上海総合指数など中国株式市場は株価の上昇が止まり足踏み状態が続いている。中国自身の規制が理由となっているのが何とも皮肉だ。中国は人民服の時代に戻ろうとしているのかもしれない。✒
