中国当局は、香港と本土側の両方で大量の豪州産ロブスターを押収した。一部の密輸業者が逮捕されている。South China Morning Postが報道した。
5月21日の早い時間に香港北西の小さな漁村Lau Fau Shanで、4人の男性が2隻のスピードボートに冷たい発泡スチロールの箱を積み込んだ。広東省のディープベイを横切って数kmの中国本土が目的地だという。香港警察に見つかったが、1隻のボートは追跡を逃れてそのまま逃げてしまったようだ。
だが彼らの多くの不法運搬物はそのまま置き去りにされた。押収された内容は、ここ数カ月で中国の市場やレストランに向かうはずだった甲殻類や豪州産ロブスターだった。South China Morning Postによると、こうした密輸のためのグレーな経路の取り締まりが最近進んでいるようだ。
「密輸されたロブスターのほとんどは豪州西部産だ」と香港の海産物商は述べた。「本土の消費者はその味に慣れているから、輸入が禁止されても需要は依然として巨大だ」
香港当局は、19,300米ドル相当の価値がある569kgのロブスターの起源を明らかにしなかったが、豪州産に特有の燃えるような赤い色ととげのある二股の触角を持っていた。中国の結婚式や宴会、パーティーでの定番の珍味だった。
豪州の農業部門によると、2019年には豪州産ロブスターの90%が中国に輸出され、その市場は5億5,370米ドルの価値があったという。2015年に豪州自由貿易協定が調印された時に関税がなくなったことから、密輸は逆に不採算となっていた。
輸入禁止と言いながら香港を抜け穴にするとは、いかにも中国側が考えそうなやり方と言える。密輸の方が価格も上がるだろうし、輸入禁止の方が都合よかった業者もいるかもしれない。富裕層は豪州産を楽しみ、やせ我慢を強いられるのは人民ばかりのようだ。✒
