米国大統領の欧州訪問は、様々な問題で中国に対して統一戦線を築くことを目的としていた。South China Morning Postが報道した。
先週のジョーバイデン米国大統領の欧州歴訪で、中国にとって悪いニュースと良いニュースの両方があった。G7やNATO、EUの指導者との首脳会談を含む8日間の訪問は、人権と軍事展開における中国に対する西側の立場の統一を目的としている。これは悪いニュースに聞こえる。
しかし、主要なEU諸国が中国との関係を米国と同じように考えているわけではなく、それは中国の利点の1つだと情報源は述べる。統一戦線を形成する取り組みはCornwallで始まり、G7がコロナウイルスの起源について新たな調査を呼び掛け、香港や新疆ウイグル地区における人権と基本的自由の尊重を要求した。
その後焦点はブリュッセルに移り、NATOは72年間の歴の中で初めて中国が課題を提示したと述べた。中国とロシアの軍事協力に対する懸念も引き起こした。
清華大学の国際関係学教授のTang Xiaoyangは「米国はすでに中国を主要な競争相手と見なしており、他国との関わりはすべて中国に関連している」と述べた。しかし、復旦大学の国際関係研究者であるSong Luzhengはフランスやドイツと米国のトーンが違うと話した。
「我々が見ることができるのは、フランスやドイツ、イタリアが中国を敵とみなすのに反対していることだ」とSongは付け加えた。特にフランスのマクロン大統領は、G7は中国に対して敵対的ではなく、NATOはその目標を混乱させてはならないと述べた。これは中国にとって良いニュースだろう。
「中国との関係に偏見を持たないことが重要だ」とマクロン大統領は話す。「それは単なる軍事問題よりもはるかに大きい経済、戦略、価値観、技術だ。既に多くの課題を抱えているNATOの気を散らすことを避けなければならない」
中国政府も違いを認識しているようだ。ウイグル地区での強制労働に関する申し立てが制裁に繋がったとしても、EU関係の取り扱いが米国と異なることを示唆している。
駐仏中国大使のLu Shayeは仏紙のL’Opinionとのインタビューで、貿易問題の政治化は遺憾であると述べたが、中国はEU諸国が反中国運動に邪魔されないと信じている。主要なEUプレーヤーとの関係を維持するために、ドイツやフランスとの経済関係を強化すると中国は述べた。またハンガリーやギリシャの場合、中国はワクチンを通じて関係を強化できるという。
「フランスとドイツに勝つことは、米国の力のバランスを取るためにEUの支持を勝ち取ることだ。東欧諸国の支持を集めるのは、中国を対象とした特定の動きを確認しバランスを取るためだ」とSongは付け加えた。「例えばハンガリーは、香港への中国の動きに反対する動議を繰り返し拒否している」
NATOはロシアの軍事的脅威に対抗するための組織だが、中国とロシアが軍事同盟を結べば警戒心が高まるのは当然と言える。EUとの経済的な結び付きを強化したいならば、逆にロシアとの手を切るべきと言えるだろう。✒
