11月 23, 2025

    コーヒーは体にいいし、体に悪い

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    シンガポールロックダウンのストレスで太る子供が増加中

     COVID-19のパンデミックで太りすぎや肥満とみなされた子供の数が増加している。在宅時間が増えたのが理由とされている。The Straits Timesが報道した。  一部の公立病院は、パンデミックによる多くの子供の体重増加を報告している。医療専門家はそれが氷山の一角の可能性であると警告する。  肥満の子供達にサービスを提供しているKK Women's and Children's Hospital(KKH)の体重管理クリニックでは、症例数が12%増加したという。パンデミック前の2019年は481人の子供を診察したが、昨年7月から今年6月までの期間には539人に増加したそうだ。  「複数の要因が肥満率の上昇に関係している」と国立大学病院(NUH)の小児科コンサルタントであるNicholas Ng Beng Huiは述べる。在宅学習の増加、屋外の共同カリキュラム活動の中止、身体活動に費やされる時間の大幅な削減が肥満児の増加をもたらしたという。  長く続くロックダウンの影響で却って不健康な子供が増える、という本末転倒な結果になりつつある。基礎疾患持ちはCOVID-19にも感染しやすくなると言われているだけに、根本からパンデミック対策を考え直す必要があるかもしれない。✒

    なぜ香港は世界で最もストレスフルな都市の1つなのか

     香港は世界のストレスが少ない国・地域ランキングで100位中74位となった。中国の上海は83位だ。South China Morning Postが報道した。  アイスランドのレイキャビクは、世界で最もストレスの少ない都市だ。対照的にインドのムンバイが住むのに最もストレスが多い都市となる。このランキングの編集者は、香港の74位は今後数年間でさらに悪化する可能性があると述べた。  都市のランキングは、政治や社会的および財政的な圧力、汚染、COVID-19対策など16の要因に基づいている。欧州のスカンジナビア半島の多くの都市が上位にランクしている。レイキャビクは大気汚染や騒音が最も少なく、男女平等で安全、セキュリティも高くなっている。多くの上位都市が西洋に集中している。  反対にアジアの都市はトップ25では1つもランクインせず、ワースト10に7つもランクインすることになってしまった。ここにはインドネシアのジャカルタとフィリピンのマニラが含まれる。  アジアにはいい面もある。全体で33位となったシンガポールは安全性とセキュリティで世界3位となり、タイのバンコクは世界で2番目に雇用率が高く、東京は医療へのアクセスで世界3位となっている。ベトナムのハノイよりも公害が少ないのは、世界で8都市だけだという。  だが香港は経済的ストレスでワースト8位になった。ハノイはこの基準ではアジア最悪になり、スイスのベルンが世界でワースト1位になってしまうという。また香港は社会保障面でもワースト3位になった。  「この調査の結果が、環境を再評価しストレスの少ない都市の開発に向けて協力するためのバロメーターとして役立つことを願う」とFinn Age Hänselの創設者Vaayは述べる。  アジアの主要都市が軒並みランクを下げているのは、公害や大気汚染が大きく影響しているものと思われる。パンデミックの状況も改善されたとは言えず、先の見えない国境封鎖をいつまでも続けている。形だけは先進国に近づいた中国や香港も、洗練度で言えば到底欧州には及ばないと言える。✒

    アップルが自社のクリニックの医師を使ってヘルスケアサービスを提供する

     Wall Street Journalの新しいレポートによれば、アップルは自社が保有するクリニックの医師を用いて、プライマリヘルスケアサービスを提供できるようにするテストを静かに始めたそうだ。プロジェクトのコードネームCasperは、Apple Watchがリリースされた直後の2016年に考案された。Gizmodoが報道した。  アップルCOOのJeff Williamsは、医師と患者が絶え間なく連絡を取り合うことを可能にするためにヘルスケアプロジェクトを構想した。普通の人々は年に2回しか医者に診てもらわないが、彼はこの現象を"363"と呼んだ。  WSJによれば新しいクリニックプロジェクトは大幅に停滞しているようだが、完全に消えたわけではないという。  アップルのデバイスによって生成されたデータを、アップルの医師によって提供される仮想あるいは対面のケアとリンクさせるとチームの計画に精通している人々は述べた。独自の医療サービスを提供する上での最良の方法だ。サブスクリプションベースのパーソナライズされた健康プログラムの一部として、継続的な健康の監視も提供するという。  アップルがデバイスセンサー、ソフトウェア、サービスの組み合わせにより人々の健康を改善しコストを削減することが証明できれば、このモデルを医療システムや他の国へのフランチャイズ化に進めることができる。  アップルはカリフォルニアの自社従業員と共にプログラムのテストに取り組み、クパチーノのキャンパス近くの診療所を買収し、スタンフォード大学のDr. Sumbul Desaiを雇用してプロジェクトを率いた。しかしながら、匿名のアップル従業員はDr Desaiがフィードバックをあまり受け取らないと不満をこぼしていた。  最初に考案されたのが2016年ということで、すでに5年が経過しているものの目立った発表はこれまでのところない。社内でのフィードバックにも支障が生じていることもあり、実用化はまだ当面先の話と思われる。✒

     最新の科学関連の見出しには混乱させられる。コーヒーについての最新の研究によれば体にいいこともあれば、コーヒーは悪魔の醸造物であるという”最新の研究”も見つかることがある。真実はどこにあるのか?Gizmodoが報道した。

     科学的な内容が見出しで分かることはめったにない。世界は複雑であり、食べ物や飲み物との相互作用を引き出すのは意外と難しい。ほとんどの場合、重要なのは食べ物だけでなく食事のスタイルだとGizmodoは述べる。例えば加工された食品を長い間食べ続けると心臓病のリスクが高まるというが、それだけでは断言できない。

     コーヒーにはカフェインのように体に急激な影響を与えるものも含め、多くの成分がぎっしりと詰まっている。コーヒーは何世紀にも渡って世界で最も人気のある食品として定着してきた。コーヒーが我々に何をもたらすのか、何をもたらさないのかについて数千、あるいは数百の研究が費やされてきたのは事実だ。

     過去数年の研究だけでも、コーヒーの摂取が心不全リスクの低下に繋がると明らかになっているとGizmodoは続ける。2型糖尿病の早期犠牲を食い止め、肝臓の損傷を元に戻すのにも役立つという。だが別の研究によれば、過度のコーヒー摂取はむしろ健康状態を悪化させるそうだ。朝食の前にコーヒーを飲むと新陳代謝が台無しになるとも言われていて、緑内障のリスクを高めるという。カリフォルニア州も最近、コーヒー製品に潜在的ながんの危険性があることを示すラベルを義務付けた。さてどちらが正しいのか?

     合理的な考え方としては、コーヒー関連の見出しに注意を払わなければいい。科学は完璧ではないし、多くの繰り返しに基づいて構築されていくものだ。単一の研究だけでなく全体を見るべきと言える。特に食品関係の研究は、直接的でなく2つの間の相関関係や因果関係しか示さない場合が多いという。

     一般的に言えば、コーヒーが我々の健康にいいという根拠の方が有害だという根拠よりもはるかに多い、とGizmodoは結論付けた。カリフォルニア州のコーヒーの警告は、そもそもコーヒーとはあまり関係のない理由だったらしい。

     コーヒーに限らず、何でも過剰摂取すれば体に害を及ぼすのは当然じゃないかと思う。例えば食事をしなければ人は生きられないが、1人で3人分食べるような過剰な食事は肥満や糖尿病のリスクを高める。朝食後に1杯といった適度な摂取量であれば健康面のベネフィットだけを得られる、という最適解をGizmodoは提示しているように思える。✒