中国がデルタ型の封じ込めに苦戦している。今こそ規則を緩和すべき時かもしれないとSouth China Morning Postは述べる。
中国では南京の空港労働者の集団感染が発生するまで、何カ月もの間制御された状態を保っていた。たった3週間で少なくとも17の省に広がってしまった。
今回の症例数の合計は700件と比較的少ないものの、保健当局は非常に警戒している。パンデミック開始の武漢以来の最大の課題とみなしている。孫春蘭副首相は水曜日にデルタ型の拡散阻止が最優先事項だと述べた。
中国当局は到着の検疫、大量の検査、接触者の追跡、封鎖措置、旅行の抑制などあらゆる手を尽くしている。デルタ型が中国のゼロコロナ政策をテストしているとも言える。
また最近の感染拡大で、中国が国境を近い将来完全に再開するという希望的観測を弱めた。都市全体が検査対象となり輸送が中断され、感染者が多く出た地域は封鎖されたからだ。
米CDCによればデルタ型は普通の風邪やインフルエンザより伝染性が高く、水痘と同じ程度だと説明されている。世界的なウイルスの流行が阻止できていないことを考えれば、共存は数少ない中国の選択肢になりうると上海の華山病院の感染症責任者であるZhang Wenhongは述べる。
香港城市大学の准教授であるNicholas Thomasも「他の国はウイルスとの共存に向かって動いている。高い犠牲率や大きな混乱を伴うとしても、失われた経済基盤を取り戻すことを可能にするだろう」と話している。
中国当局としてはゼロコロナ戦略を放棄するつもりはなさそうだが、現実問題として封じ込めに苦労している限り経済と感染状況の両方を犠牲にすることになる。このまま長期化するようであれば、世界が中国方式の封鎖の効用性に疑問を呈し始めるかもしれない。✒