この数週間は米国と中国の度重なる政策変更により、中国株投資家にとって地獄のような期間となった。South China Morning Postが報道した。
中国が抜本的な教育改革を発表した。インターナショナルスクールの高額な料金に翻弄されてきた人達にとっては朗報かもしれない。新しい規則の下では教育産業は営利活動が不可能になる。子供の教育費に悩まされていた若いカップルにとっては朗報と言えるだろう。
だが株式投資家にとっては大惨事だ。先週のリスク認識の突然の変化は、投資家にとって非常に苦痛な教訓をもたらすことになった。政策に翻弄される株式はポートフォリオの選択肢として考えられなくなりつつある。
中国政府による規制の変更で教育企業の株価は暴落し、教育産業の宣伝やオンライン学習ビジネス、数十万人の雇用に打撃を与えた。外国人投資家によるケイマン諸島を経由した規制回避の株式保有の道も閉ざされてしまった。
中国の代表的な私立教育企業にはTAL Education、New Oriental Education、Gaotu Techeduなどが存在していたが、先週の時価総額1,000億ドルから今は270億ドルにまで落ち込んでしまった。たとえ海外に上場している場合でも、中国企業への規制が容易に実現できるリスクを表面化させた。
テクノロジー業界にも同様の規制がかかるかもしれない。食品配達から輸送シェア、音楽ストリーミング、エンターテイメントに至るまであらゆる分野のオンラインビジネスが影響を受ける可能性がある。オンラインの金融プラットフォームをさらに強化するという話もあるようだ。
そして中国の規制は米国に住む投資家の生活をも地獄に追いやる。中国のハイテク企業は香港のハンセン指数(HSI)に組み込まれているからだ。現在HSBCとハンセン銀行を悩ます頭痛の種は、投資不適格とみなされる銘柄を選び出すことだ。今年のHSI指数はマイナス3.81%となり世界的に見ても低いパフォーマンスとなっている。
香港の株式市場の落ち込みこそが、中国の政策影響を逃れられない最も顕著な例であるように思う。中国政府が中国企業を規制すれば、香港に投資する米国の投資家が大きな影響を受ける構図になってしまったのだ。✒