中国で以前はHellobikeとして知られていたHello Incは、今年米国でIPOを申請しようとしていたが中止することにした。South China Morning Postが報道した。
中国政府は新しい規制を発表し、100万人以上のユーザーデータを持つハイテク企業はすべて調査対象になるとしている。Ant Groupが支援する自転車シェア企業のHello Incは、中国当局による取り締まりの犠牲になる可能性がある。
上海を拠点とするこの企業は、上半期最大の資金調達を実行した企業のうちの1つだった。4月に米国でIPO申請をしたものの、同社は規制当局への提出書類で申請の撤回をすると述べた。6月末に中国政府が国内外の資金調達に関する抜本的な見直しを明言したのが理由だ。
Hello Incは中国で最大の自転車シェアサービスの1つだ。相乗りサービスや電動スクーターなどのレンタルも提供している。2020年には130億元(20億ドル)の総取引額を記録した。株主にはAntをはじめYouon Technology、GGV Capitalなどが含まれている。
中国規制当局の波があらゆる業界に及び始めた形となったが、IPO中止ともなれば資金調達の方法が限られてしまう。そもそも自転車シェアサービスは廃棄される自転車の数が膨大で、環境破壊にも繋がっているとされていた。中国経済は今年後半に急激に失速するかもしれない。✒