香港で進められているThe Pavilia Farmプロジェクトが前例のない失敗を引き起こし、香港の建設部門に対する警鐘が鳴らされている。South China Morning Postが報道した。
開発会社のNew World Developmentは、壁に低強度のコンクリートが使用されていた影響で建設中のプロジェクトを部分的に取り壊すという。The Pavilia Farmは昨年香港で最も売れた住宅だが、7ブロックのうち2ブロックを解体して再建することになったようだ。
MTR Corporationの声明によれば、コンクリート強度テストでThe Pavilia Farm IIIのブロック1と8の壁が承認された設計要件を満たしてないことが分かった。プロジェクトの構造エンジニアが採取したサンプルが標準を下回っていた。
開発会社はヒューマンエラーが失敗の背景にあることを認め、建設チーム全体が解雇されたと述べた。Hip Seng Constructionによれば、下請け業者がM80の代わりに強度の低いM40グレードのコンクリートを使用していたという。
業界関係者によれば、こうした間違ったコンクリートの使用は一般的であるもののここまで大規模なエラーは前代未聞だという。同様に解体の規模も前例のないものになる、と付け加えた。
香港調査研究所の前会長であるVincent Kui-yipは「建設作業員が場所ごとに異なるコンクリートを混ぜた可能性がある」と述べた。監督の不備を巡り業界に警鐘を鳴らすだろうとしている。
解体の費用は少なくとも2億3,000万ドルに達するだろう、と元建設会社の社員は話す。New World DevelopmentとMTR Corporationが公平に責任を分担すべきだと加えた。
現場作業員のミスなのか、あるいは監督不行き届きだったのかは定かになっていない。残り5ブロックの強度にも問題はないのか検証する必要があるだろう。会社側の瑕疵なだけに、不動産価値の下落にどう対応するかも問題となるはずだ。✒
