中国はコロナ排除計画をむしろ強め、香港との境界も閉鎖し続けている。国境が開かれる日も遠ざかった。South China Morning Postが報道した。
中国版ファウチ博士として知られる疫学者のZhang Wenhongを含む一部専門家は、中国はコロナとの共存を目指すべきだと示唆している。だが中国政府は感染力の強いデルタ型の発生によりそのシナリオを排除した。
香港医師会の伝染病委員会委員長であるJoseph Tsang Kay-yanは、ウイルスの完全な除去は非常に困難であり、ゼロトレランスアプローチを中国が維持した場合は香港との境界の再開はさらに遅れると述べた。
「それが達成できないとは言えないが、問題はいつになるかだ。輸入されるすべての感染を防ぐことは困難だ。陰性証明書をもつワクチン接種者だけが国境を超えられる対策を実施する国が増えている。国境を再開できない理由はない」
だが中国政府系シンクタンクの中国健康経済協会のWebサイトでは、元中国保健大臣のGao Qiangによりパンデミックへの自由放任主義的なアプローチを取らないような強い言葉が掲載されている。「エピデミック対策の緩和は無謀なアプローチだ」としている。
「ウイルスとの共存を実現しようとした英国や米国は、既に深刻な結果をもたらしている。同じ過ちを繰り返してはいけない」
中国当局は米国の事例を注視している。例えばマサチューセッツ州では感染者の74%がワクチン接種済みだったというが、誰も犠牲にはならなかった。中国はこの戦略を取らないということだ。
Gaoは国境での集団予防接種と厳格な管理措置の組み合わせを通じて、ウイルスの完全な排除を求めている。香港との境界も再開しない方針だ。香港の観光部門議員のYiu Si-wingは、広東省など一部の省との境界再開のために努力することはできると抵抗した。
中国での感染拡大が顕著になるにつれ、国境を封鎖してウイルスを封じ込めてきた中国政府の手法が疑問視されている。経済を犠牲にしてでもゼロトレランスに固執するのであれば、中国は世界経済から切り離されてしまうだろう。✒
