米国が完全に虚偽の主張をした、とファーウェイCFOのMeng Wanzhouの弁護士はカナダの身柄引き渡しの公聴会で主張している。数百ページにも及ぶHSBCの文書を認めさせようとしている。South China Morning Postが報道した。
ファーウェイの幹部弁護士によれば、300ページにも及ぶ電子メールや銀行の内部文書で構成されるHSBCの資料の山が米国の主張は虚偽だと示しているという。弁護士のMark Sandlerは「もっともらしい事件はない」と主張した。銀行を騙したとする訴訟の記録には欠陥があるという主旨だ。
引き渡しを求められた側が、こうした州の事件の記録の正確さに異議を唱えるのは稀なことだと認めたものの、ブリティッシュコロンビア州最高裁のHeather Holmes副裁判長に「例外的な救済を必要とする事件として扱うことをためらわない」と述べた。
ファーウェイのCFOで創設者のRen Zhengfeiの娘のMengは、Skycomという子会社とCaniculaという別の会社を通じてファーウェイのイランでの商取引において嘘をついたことで、HSBCを騙したと非難されている。米国連邦検察官によれば、彼女の虚偽の陳述は銀行をイラン制裁に違反させる危険を冒したという。
だがMengの弁護士は、銀行の上級スタッフがファーウェイとこれらの企業の関係を知っていたとHSBCの資料で明らかになったから、詐欺に関する申し立てが弱体化されたと主張している。「HSBCはファーウェイとSkycomの真の関係を知っていた。上級管理職はその関係を認識していた」
こうした申し立てが認められるかは不透明だが、イラン制裁違反の部分が焦点となっていることを考えれば、HSBCの意図的な制裁違反を逆に指摘する形となってしまいかねない。政治的な駆け引きに注目が集まる。✒
