IOCのスポークスマンMark Adamsは、中国の代表団が事件の再発を防止し調査に協力すると述べている。South China Morning Postが報道した。
中国のBao ShanjuとZhon Tianshiはメダル授与式で毛沢東をイメージしたバッジを着用した。政治的な道具の掲示に関するIOCの規則に違反した可能性がある。自転車トラック女子チームの決勝でドイツを破り、31.895秒を記録していた。
「これらの調査には時間がかかる。多くの人々の声を聞く必要がある」とIOCのスポークスマンMark Adamsは話した。「あらゆる種類の問題や噂が浮かんでくる。我々は関係者全員の意見を聞かなければならない」
中国の代表団はIOCにすぐさま報告し、同様のトラブルを繰り返すことはないと保証したとAdamsは付け加えた。
1975年に施行された五輪憲章50条によれば、オリンピックの会場やその他の場所での政治的、宗教的、人種的な宣伝は許可しないとされている。IOCは最近になり規則をやや緩和したものの、公式なセレモニーや競技場、選手村での表現などは依然として禁止されている。
中国のオリンピック選手が毛沢東バッジを付けたのは、これが初めてではなかった。2008年に中国のバドミントン選手Lin Danが男子シングルス決勝で金色のバッジを着用していた。彼はマレーシアのLee Chong Weiに勝ち金メダルを獲得した。大会前に毛沢東の故郷を訪れ銅像に敬意を表したという。
こうした過去の行動にも関わらず、IOCが50条を引き合いに出すことは今までなかった。だが昨年のBLMデモの活動などを受けて姿勢を転換させたようだ。7月26日にはコスタリカの選手がBLMの動きを意識したポーズを掲げ、論争の的になっている。
これまでの大会では見逃されてきた政治的主張も、今回は厳しく取り締まることにしたようだ。調査に時間がかかるとIOCが明言していることから考えれば、何らかの厳しい措置が下るものと考えられる。仮にそうなるとすれば中国は「毛沢東バッジを槍玉に挙げる方が政治的だ」と無理筋な反論をするだろう。✒
