中国のインターネットで「赤ちゃんを産むか、刑務所に入るか」という3人っ子政策を皮肉ったプロパガンダフレーズが噂となっている。South China Morning Postが報道した。
「結婚しないか子供がいない場合、あなたは刑務所に入ります。そうでなければ、幸せな生活が保証されます」
中国政府の家族計画政策に関する転換を皮肉った一例だ。すべての中国本土人民が3人目の子供を持つことができるようになり、2016年以来2人までとしていた制限を廃止すると今年5月に中国政府が述べたが、それを受けてのことだ。
一人っ子政策の時代には「出生率を減らすことがあなたの国と人々にとって有益だ」というメッセージが掲げられていた。
中国家族計画協会(CFPA)は今週の通知で、新しい家族計画文化の時代にふさわしいスローガンを人民から募り始めた。出産に優しい社交的な雰囲気の醸成に必要だという。
中国当局は提出される作品に異なる文化的背景、性別、年齢層に認められる要素を望んでいる。「適切な年齢で結婚する」「長期的かつバランスの取れた人口増加」「調和の取れた家族の価値観」といったスローガンが必要だと話している。
だが中国政府の望みとは裏腹に、インターネットでの回答は雑言で埋まった。「男の子がいれば女性は早く年を取る」「誰も出産しなければ、安い労働力はどこから来るのか?」「政策の範囲をはみ出して子供が1人生まれれば、村全体が不妊手術を受ける必要がある」といった内容だ。
2016年に始まったスローガンは「1人は少なすぎるが、2人はちょうどいい」という奇妙な内容だった。
こうしたスローガンが成果を上げているとは言い難い。中国の一部の地域で出生率が急落し続けているためだ。専門家は7月下旬に「人口増加が止まりマイナスになることは避けられない」とSouth China Morning Postに対して語った。
中国政府の無理な政策と急激な方向転換に人民が翻弄されている。家族でさえも”計画経済”に組み込まれる構成要素となる。1980年に一人っ子政策を実施した時点で中国は国家のあり方を間違えてしまったのかもしれない。✒