アップルはWWDCの基調講演で、iOS 15における自動車のデジタルキーのサポートを拡大したことを発表した。グーグルの最近のAndroidにおける発表と組み合わせると、デジタル自動車キーへの大規模な移行が今秋後半に始まることは明らかだ。
iOS 15のウォレットに新しいアップデートを導入し、iPhoneがUWB経由で近くの車に接続できるようにすることで、その取り組みを拡大した。Android 12でも特定の自動車のモデルにつして、UWBまたはNFCを介したデジタルキーに対応すると発表された。
現在NFCとUWBはデジタル自動車キーを実装するための主要な方法になる予定だが、どちらにも長所と短所がある。NFCの通信範囲はUWBよりもはるかに短いことから、ドアのロックを解除したり車を動かすにはすぐ近くにいる必要がある。NFCは低価格以外すべての携帯電話にすでに組み込まれているから、移行は比較的簡単だ。
一方UWBは100フィート以上の広い範囲に対応している。家の中から車を指導したり、暖房やエアコンをオンにすることができる可能性がある。欠点としては、UWBは新しいテクノロジーであることから少数のデバイスしか対応していない。携帯電話を新しく買い換える必要があるかもしれない。
iPhoneの場合、UWBに対応しているのはiPhone 11以降となる。残念ながらiPhone XS以前は運が悪い。
テスラを除き、現在デジタル自動車キーを主導しているのはBMWだ。すでにアップルやグーグルなどと提携して一部モデルをサポートしている。
デジタル自動車キーで便利になる反面、ひとたびスマートフォンを落としただけで大惨事になる可能性がある。最悪の場合自動車にも自宅にも入れなくなり、緊急時に立ち往生しなければならなくなる。当然バックアップとして物理的なキーもしくはカードのキーが提供されている。
こうしたデジタル自動車キーは当然iCloudと連携されるだろうから、スマートフォンを2台以上保有していれば問題ないと考えられる。物理的なキーのバックアップも重要だ。スマートフォンのバッテリーが切れる前に自動車に乗れるとは限らない。
Source: Gizmodo
https://gizmodo.com/apple-and-google-go-all-in-on-digital-car-keys-1847049565
