中国政府がレッドラインを設定し、そこには香港と新疆ウイグル、そして台湾が含まれると米国に伝えたようだ。South China Morning Postが報道した。
米国とのシニアレベルでの協議を進めている中国政府だが、米国側の行動に対する制約を設定しようとしている。シャーマン米国務副長官との会談の際には、中国外相の王毅は中国の発達を阻害したりシステムに挑戦しないことを要求した。
アナリストはバイデン政権が中国を含む問題について同盟国と密接に協力していることから、米国の圧力を鎮めることは難しいだろうと判断している。シャーマン副長官は日本やモンゴルなどを訪れたが、その一方でブリンケン国務長官はインドを、オースティン国防長官はシンガポール、ベトナム、フィリピンを訪問している。
ハドソン研究所の上級フェローのJohn Leeは「中国に損害を与えるための米国や連合軍側の動きが大幅に増えたことを中国は心配している」と述べた。「レッドラインとの認識を示したにも関わらず、台湾の経済的かつ戦略的な重要性を考慮すると我々の同盟の考えや行動を変える可能性はほとんどない」と付け加えた。
バイデン政権はトランプ前政権の対中強硬政策を続けているが、それに加え多国間主義や同盟国とのパートナーシップに大きく焦点を当てている。G7や豪州、インドなどを加えたクアッドの枠組みが強調されている。
中国が香港や新疆ウイグルだけでなく台湾も内政問題でレッドラインだと強調したことは、不利な状況の裏返しとも言える。台湾を重要視する日米の動きに対する焦りが見て取れる。✒