過酷な労働時間、誇示的な消費、高騰する住宅価格にうんざりした若い中国人は、最小限の行動で抗議している。「横たわり(Lie Flat)」と呼ばれる社会的抵抗運動は、中国の夢に対する潜在的な脅威だと当局からみなされている。South China Morning Postが報道した。
Hu Aiは先月のレイバーデーの休暇中に交通渋滞に巻き込まれ、中国の過労文化に気付いた。上司から電話があり、高速道路から最寄りの地下鉄駅まで移動して仕事場に戻るように言われたのだ。
「私の仕事の大変さを両親が知ったのはこれが初めてで、車の中で泣いてしまった」
その後の数週間で、深圳のメディア企業で働くHuは中国を席巻するオンライン社会的抗議運動に活路を見出した。突然目が覚めたのだ。
若い中国人は、過酷な労働時間や誇示的消費の傾向などにうんざりして最低限のことをする。家や車を購入し家族を持つことに対し、「横たわる」ことで拒否している。欲求不満の若者の群れがSNSやインターネット掲示板で「横たわる若者」だと宣言している。
”Do nothing lie flat youth”とプリントされたTシャツが全国で人気商品となり、当局は経済秩序への挑戦を恐れ抑制に躍起になっている。
この運動のルーツは”lying flat is justice”というインターネットの投稿にまで遡ることができる。Kind-Hearted Travelerというユーザーが、ギリシャの哲学者の言葉と月200元(31ドル)で1日2回の食事で生活した経験を組み合わせた。2年の間、1日も働いていない。
中国では婚姻数が減少し、拒否する若者が増えている。「Diogenesのように日光浴を楽しみながら樽の中で寝るか、Heraclitusのように洞窟に住んでLogosについて考えるかだ」とその人物は述べる。
「人間の主観性を高く評価する風潮がこの国にはなかった。だが自分で創り出すことはできる。横たわることは賢者の動きである」
匿名の投稿によれば、彼らは肉体的に健康で精神的にも自由になれるという。元の投稿は検閲によりインターネットから削除されたが、そのコピーはオンラインで急速に広がり活発な議論を巻き起こすことになった。
広東省に住む19歳の大学生Jane Pengはこう述べる。「私達は突然目覚め、新しい道を見つけたようだ」
日本でも寝そべり族として話題になったこの現象だが、哲学的な思想が含まれた投稿が発端だと分かった。場合によっては大きな動きへと発展していくかもしれない。✒