8月に第1子を出産する予定の中国南部広州出身のGetty Heは、母親になることを喜ぶ一方でどのように経済的な”被害”を食い止められるかについて心配している。178日間の有給出産休暇を取得したにも関わらず、その後の育児費用について不安を抱えている。
「産休後の仕事や育児のプレッシャーについて考える度に不安になる」と彼女は語る。「それが私の唯一の子供になると確信しています。夫も私も、1秒も余裕はありません」
彼女はフリーランスや無職など、産休を全く取得できない中国人よりもいい状況にある。十分な期間の出産保険を支払っていて、手当を受ける権利もある。しかしながら、彼女が抱える苦悩は中国の若いカップルの多くが直面する課題を要約していると言える。手ごろな価格の公共保育の欠落、生活費の上昇、過酷な長時間労働などの問題は、全てミレニアル世代が子供を持つことをためらう原因となっている。
中国青年報の社会調査センターがミレニアル世代1,938人を対象に調査を実施したところ、全体の67.3%が2人目の子供を持ちたくないと答えた。最大の理由は家事手伝いが見つからないことだ。61.7%が経済面の圧力、54%が安全で適切な保育園の不足、41.6%が住宅の需要増加などを挙げている。
Gettyには育児のための選択肢が3つある。仕事を辞めて専業主婦になるか、乳母を雇いカメラを設置するか、義母に引っ越してもらい世話をしてもらうように頼むかだ。だが彼女のような労働者階級にとって毎月6,000元(約942ドル)もの乳母を雇うのは現実的ではなく、税引き後収入の半分がなくなってしまうとのことだ。赤ちゃんを見知らぬ他人に預けることにも不安があるという。
「最も可能性が高いのは義母を来させる事ですけど、それは義母が何年も夫と別居しなければならないことを意味します。義理の父はまだ働いていて引退していません」
中国は人口の多さを武器に表面上の急成長を遂げたが、その代わりに大きな犠牲を払ってきた。将来の需要を先食いして、中国人の労働力を使い倒して子供を育てる機会と費用を奪った。衝撃的な人口減少と高齢化スピードに世界が驚くのは遠い将来の話ではないだろう。
Source: South China Morning Post
https://www.scmp.com/economy/global-economy/article/3135190/china-population-millennial-couples-decry-unaffordable