新しい技術用語であるLTPOについて学ぶいい機会だ。このスクリーン技術は従来のディスプレイを改良したものであり、今年後半の次世代iPhoneに搭載される可能性がある。Cnetが報道した。
LTPOはLow Temperature Poly-crystalline Oxide(低温多結晶酸化物)の略だ。プレミアムモバイルデバイスのバッテリー寿命の向上に繋がり、ディスプレイを高速で更新できる。流動的なゲームやスムーズなスクロールが可能になる。また、電話のような画面ピクセルがあまり変化しないような場合には低レートで効率的な動きをする。
なぜLTPOが必要なのか?最近のスマートフォンを改善する1つの方法は、画面を素早く切り替える高いリフレッシュレートを使用することだ。通常のレートは1秒当たり60回(60Hz)だが、高いリフレッシュレートであれば90Hzまたは120Hzに達する可能性がある。スムーズなスクロールができゲームの見栄えがよくなるが、多くの電力を必要とする。
LTPOは、毎秒1回の画面更新で高フレームレートと低フレームレートの両方に適切に対応し、超高効率を実現する。Low Temperature Polysilicon(LTPS:低温ポリシリコン)と呼ばれる初期の技術では、低いリフレッシュレートでちらつきが表示される。
ディスプレイサプライチェーンのRoss Youngは「高いリフレッシュレートの端末が必要な場合は、これが最適な方法だ」と述べる。
アップルがLTPOに興味を持つ理由は、最大120Hzに達する可変リフレッシュレートを提供するProMotionディスプレイテクノロジーに最適だからだ。ProMotionは現在iPadのみで提供されているが、OmdiaのDavid Hsiehを含む数人のアナリストはiPhone 13のProでLTPOが採用されると述べている。
アップルはすでにApple WatchでLTPOを使用している。2019年のSeries 4で最初に搭載され、Series 5で重要技術となりバッテリー寿命を延ばしながら常時表示のウォッチフェイスを実現させた。アップルはいくつかのLTPO特許を保有している。
他社のスマートフォンではすでに導入されているとの話もあるが、iPhoneがこの最新技術に乗り出すことで世界が改めて注目するだろう。iPhone 13が発表されればアップルは大きな前進を遂げることになるかもしれない。✒