中国は先発者の優位性を得るために、デジタル人民元の推進に動いた。デジタルフロンティアとして北京を位置付け、ブロックチェーンイニシアチブで鉄道を建設していくという。South China Morning Postが報道した。
2022年2月、中国は北京五輪を利用してデジタル人民元を発表する予定だ。世界で最初の主要中央銀行によるデジタル通貨、あるいはCBDCと呼ばれるものだ。
消費者はe-CNYで買い物をすることになるが、違いに気付く可能性は低い。現金と同じ価値があり、タップやスワイプ、QRコードでアクティブになる。しかしながら、中国が支援するデジタルマネーが米国に支配される世界金融システムにどう影響を及ぼすのかは未知数だ。
「中国のCBDCが世界の貿易と商取引の規則を覆すかどうかではない」と香港のコンサルタント企業Asia AnalyticaディレクターのPauline Loongは述べる。「唯一の問題は、資本へのアクセスや動きを誰が管理するのかだ」
デジタル人民元は巨大な赤いカーテンから覗くつま先だ。ブロックチェーンと呼ばれる分散型元帳テクノロジーを用いて、国の経済を再支配するための野心的なインフラプログラムだ。先発者の優位性を確保するために意図的に動いたという。
中国では4億人が銀行口座を持たない。アリババグループはそこに目を付け、8億人がスマートフォンを利用していることを契機に2008年にモバイル決済システムを導入した。だがそうした民間の支払いシステムは中国政府の腐敗防止運動にほぼ役に立たなかった。国家による資金の綿密な監視が引き続き必要になった。
2012年頃から新疆ウイグル自治区、内モンゴルなどで電力使用量が急増した。2010年代後半のピーク時には中国のマイナーが世界のビットコイン生産量の95%を占めるまでになっていたという。これらのマネーは中央集権的な当局とは全く関係がなかった。
2014年に中国は”政府版ビットコイン”の可能性について調査を開始した。「多くの政府がビットコインの基本を知る前に、中国当局はネットワークのセキュリティにおいてリーダーシップを発揮し始めた」と北京の中国グローバルキャピタル副社長のIan Wittkoppは述べる。「それは強力なブロックチェーンと暗号資産エコシステムの開発に繋がった」
デジタル人民元とビットコインの関連性については不透明だが、ビットコインの仕組みを取り入れたものがCBDCという見解は注目に値する。ブロックチェーンの導入は中央集権的な経済のためには必要なのかもしれない。✒
